個人事業主で、税務署に開業届を提出されている方は、青色申告で確定申告をします。

 

青色申告で確定申告をすると、今期の所得税から最大で65万円の控除を受けることが出来ます。
これが青色申告の最大のメリットと言われている部分です。

 

しかし、青色申告は、事業税や予定納税を課せられるというデメリットもあります。

これから青色申告をされる方は、こうしたデメリットを理解の上、税務署に開業届を提出してください。

 

さて、今回は、青色申告の書類の書き方を、減価償却費に焦点を当てて紹介します。

 

目次

青色申告で必要な書類は?

以下の3つの書類が必要です。

確定申告書B 第一表、 第二表  添付書類台紙

 

 

詳しくは、『国税庁が公表している確定申告書B』を御覧ください

 

青色申告で確定申告をされる方も、白色申告で確定申告をされる方も、どちらも「確定申告書B」を使用します。
私の顧問税理士は、略して「申告書」と呼んでいます。

「確定申告書B」に添付する各種控除関係の書類

詳しくは、『国税庁が公表している確定申告書B』を御覧ください

★所得税青色申告決算書(ここに減価償却費を記入!!)

青色申告で減価償却する場合は、この書類に記入します。
所得税青色申告決算書は、以下の3つの書類から構成されています。

青色申告の損益計算書

青色申告の減価償却費の計算書

青色申告の貸借対照表

青色申告で必要な書類に減価償却費を記入

以下の4つのステップを踏むことで、青色申告で必要な書類に、減価償却費を正確に記入することが出来るはずです。

①あなたがお持ちの減価償却資産の減価償却費を計算する

②青色申告の減価償却費の計算書に減価償却費を記入する

③青色申告の貸借対照表に減価償却費を記入する

④青色申告の損益計算書に減価償却費を記入する

以下、順を追って説明していきます。

① あなたがお持ちの減価償却資産の減価償却費の計算方法を把握する

減価償却費の計算は、以下の手順を踏めば出来ます。

・これから経費計上したいものが、減価償却資産かどうかを調べる

・減価償却資産の耐用年数を調べる

・減価償却資産の取得価額を領収書に書かれた金額などを頼りにして調べる

・減価償却資産の取得価額に応じて用意された計算方法で減価償却費を手計算してみる
・・取得価額が10万円未満:「消耗品費」などで一括経費計上出来る。減価償却費として経費計上しなくて良い
・・取得価額が10万円以上20万円未満:一括償却資産として3年間で均等償却
・・取得価額が20万円以上:耐用年数に応じて定額法または定率法で減価償却費を計算。ただし、建物や建物附属設備や無形減価償却資産の場合は定率法で計算不可。

 

詳しくは、本ブログの『減価償却費の記事カテゴリ』を参考にしてください。

②青色申告の減価償却費の計算書に減価償却費を記入する

青色申告の減価償却費の計算書につきましては、以下の画像を御覧ください。

この青色申告の減価償却費の計算書の中で、以下の部分に記入していきます。

青色申告の減価償却費の計算書への記入例を、以下に示します。

 

各記入項目について、1つずつ言及していきます。

減価償却資産の名称等(繰延資産を含む):青色申告の減価償却費の計算書

所有する減価償却資産の名称を記入します。

記入例)
乗用車、パソコン一式、冷蔵庫

面積または数量:青色申告の減価償却費の計算書

所有する減価償却資産の面積または個数を記入します。

記入例)
乗用車→1台
パソコン一式→1式
冷蔵庫→1台

取得年月:青色申告の減価償却費の計算書

減価償却資産を購入した年月を和暦で記入します。

記入例)
乗用車を平成27年5月に購入。領収書には平成27年5月23日と書かれていた
→「27・5」と記入

㋑取得価額(償却保障額):青色申告の減価償却費の計算書

減価償却資産の購入費用を記入します。

 

所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出して、定率法で減価償却費を計算出来る方の場合は、カッコの中に、償却保障額を記入します。
償却保障額の計算方法は、『冷蔵庫の勘定科目は減価償却費。耐用年数など詳しく紹介!』の記事を参照してください。

記入例)
冷蔵庫の購入費用が100,000円、輸送・設置費用が9,800円の場合
→「109,800」と記入(カッコの上に記入)

㋺償却の基礎になる金額:青色申告の減価償却費の計算書

定額法の場合、「㋑取得価額(償却保障額)」に書かれている金額と同じ金額を記入します。

定率法の場合につきましては、国税庁HP『償却の基礎になる金額とは(定率法選択時の入力)』を御覧ください。

 

私のように、耐用年数4年の中古車を事業用途に転換した場合は、未償却残高を記入します。

 

詳しくは、『中古車は税金対策に有効か?4年落ちのベンツの減価償却費を計算!』を御覧ください。

償却方法:青色申告の減価償却費の計算書

「定額」と記入します。
「定額」とは「定額法」のことです。

所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出して、定率法で減価償却費を計算出来る方の場合は、、「定率」と記入します。
「定率」とは、定率法のことです。

 

定額法と定率法の違いを調べたい方は、『冷蔵庫の勘定科目は減価償却費。耐用年数など詳しく紹介!』の記事を読み、実際に手を動かして、減価償却費を計算してみてください。

耐用年数:青色申告の減価償却費の計算書

国税庁が公表している『耐用年数表』に従い、減価償却資産の耐用年数を記入します。

記入例)
普通乗用車→6

㋩償却率または改定償却率:青色申告の減価償却費の計算書

減価償却資産の耐用年数の情報に基づき、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』から「償却率」の値を探して記入します。

記入例)
普通乗用車の耐用年数は6年→0.167(定額法)、0.417(定率法)

 

定率法で減価償却費を計算される方の場合、今期計上する減価償却資産の減価償却費が、償却保障額を下回っている場合は、「改定償却率」の値を探して記入してください。
詳しい情報は『冷蔵庫の勘定科目は減価償却費。耐用年数など詳しく紹介!』の記事に載っています。

㋥本年中の償却期間:青色申告の減価償却費の計算書

購入したのが前年度の場合は、分母が12の分数の上に「12」と記入します。
会計年度が1月1日~12月31日で、例えば、今年度の5月13日に普通乗用車を購入した場合は「8」と記入してください。
(月半ばに取得した場合は、1ヶ月使用したとみなします)

㋭本年分の普通減価償却費(㋺×㋩×㋥)):青色申告の減価償却費の計算書

「㋺償却の基礎になる金額」(=取得価額(償却保障額))と、「㋩償却率または改定償却率」と、「㋥本年中の償却期間」の3つを掛け算して算出した金額を記入します。

㋬割増(特別)償却費:青色申告の減価償却費の計算書

「0」と記入します。

㋣本年分の償却費合計(㋭+㋬):青色申告の減価償却費の計算書

「㋭本年分の普通減価償却費(㋺×㋩×㋥)」と、「㋬割増(特別)償却費」を足し算して算出した金額を記入します。

㋠事業専用割合:青色申告の減価償却費の計算書

事業割合を記入します。

記入例)
普通乗用車を減価償却資産として計上しているが、子供の塾の送迎などでも使用しており、事業として使用しているのは80%と判断した場合
→「80」と記入

㋷本年分の必要経費算入額(㋣×㋠):青色申告の減価償却費の計算書

㋣本年分の償却費合計(㋭+㋬)と、㋠事業専用割合を掛け算して算出した金額を記入します。

記入例)
㋣本年分の償却費合計(㋭+㋬)が、300,000
㋠事業専用割合が、80
→300,000×80% = 24,000円

㋦未償却残高(期末残高):青色申告の減価償却費の計算書

期首の未償却残高から、「㋭本年分の普通減価償却費(㋺×㋩×㋥)」を引き算した金額を記入します。
未償却残高の考え方については、『冷蔵庫の勘定科目は減価償却費。耐用年数など詳しく紹介!』の記事を参照

③青色申告の貸借対照表に減価償却費を記入する

青色申告の貸借対照表は、以下の通りです。

この中で、以下の画像で、赤枠で囲った部分を記入します。

記入する金額は、期首の減価償却資産の未償却残高の合計額と、期末の減価償却資産の未償却残高の合計額です。

 

青色申告の貸借対照表への減価償却費の記入例を以下に示します。

 

それでは、この青色申告の貸借対照表の減価償却費に関わる部分の記入方法を詳しく説明していきます。

 月 日(期首):青色申告の貸借対照表

会計年度の初めの日付を記入します。

記入例)
個人事業主の場合は、会計年度が1月1日~12月31日なので、「1月1日」と記入します。

 月 日(期末):青色申告の貸借対照表

会計年度の終わりの日付を記入します。

記入例)
個人事業主の場合は、会計年度が1月1日~12月31日なので、「12月31日」と記入します。

建物(期首):青色申告の貸借対照表

建物とは、一軒家やマンションの一室などが該当します。
ここには、期首の建物の未償却残高を記入します。
前年度の「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、全ての建物の未償却残高をここに記入してください。

 

以下に記入方法を紹介します。建物ではなく乗用車を例に取っていますが、建物でも同じです。

建物を所有していない場合は、記入不要です。

建物(期末):青色申告の貸借対照表

建物の期首の未償却残高から、今期計上した減価償却費を引き算した金額を記入します。
つまり、「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、今期の全ての建物の未償却残高を合計した金額をここに記入することになります。
今期計上した減価償却費、および未償却残高は、「青色申告の減価償却費の計算書」に全て書かれています。
今期新たに建物を追加した場合は、その建物の未償却残高も合わせた金額を記入してください。
期末の段階で、建物を所有していない場合は、記入不要です。

 

以下に記入方法を紹介します。建物ではなく乗用車を例に取っていますが、建物でも同じです。

建物附属設備(期首):青色申告の貸借対照表

建物附属設備とは、杭などで地面に固定された車庫などが該当します。
詳しくは『車庫は減価償却資産。やや特殊だが計算自体は簡単です!』を参照ください。

 

ここには、期首の建物附属設備の未償却残高を記入します。
前年度の「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、建物附属設備の未償却残高をここに記入してください。
建物附属設備が複数ある場合は、これら建物附属設備の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。
建物附属設備を所有していない場合は、記入不要です。

建物附属設備(期末):青色申告の貸借対照表

建物附属設備の期首の未償却残高から、今期計上した減価償却費を引き算した金額を記入します。
つまり、「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、今期の建物附属設備の未償却残高をここに記入することになります。

 

建物附属設備が複数ある場合は、これら建物附属設備の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。
今期計上した減価償却費、および未償却残高は、「青色申告の減価償却費の計算書」に全て書かれています。
今期新たに建物附属設備を追加した場合は、その建物附属設備の未償却残高も合わせた金額を記入してください。

 

期末の段階で、建物附属設備を所有していない場合は、記入不要です。

機械装置(期首):青色申告の貸借対照表

機械装置とは、旋盤加工器具など工場で使うもののことです。

 

ここには、期首の機械装置の未償却残高を記入します。
前年度の「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、機械装置の未償却残高をここに記入してください。
機械装置が複数ある場合は、これら機械装置の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。

 

機械装置を所有していない場合は、記入不要です。

機械装置(期末):青色申告の貸借対照表

機械装置の期首の未償却残高から、今期計上した減価償却費を引き算した金額を記入します。

 

つまり、「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、今期の機械装置の未償却残高をここに記入することになります。
機械装置が複数ある場合は、これら機械装置の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。
今期計上した減価償却費、および未償却残高は、「青色申告の減価償却費の計算書」に全て書かれています。
今期新たに機械装置を追加した場合は、その機械装置の未償却残高も合わせた金額を記入してください。

 

期末の段階で、機械装置を所有していない場合は、記入不要です。

車両運搬具(期首):青色申告の貸借対照表

車両運搬具とは、スズキのワゴンRなどの軽自動車や、スバルのLEVORGなどのワゴン車などが該当します。
詳しくは『新車を購入したが節税対策にならなかった事実を公表します』を参照ください。

 

ここには、期首の車両運搬具の未償却残高を記入します。
前年度の「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、車両運搬具の未償却残高をここに記入してください。
車両運搬具が複数ある場合は、これら車両運搬具の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。

 

車両運搬具を1台も所有していない場合は、記入不要です。

車両運搬具(期末):青色申告の貸借対照表

車両運搬具の期首の未償却残高から、今期計上した減価償却費を引き算した金額を記入します。

 

つまり、「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、今期の車両運搬具の未償却残高をここに記入することになります。
車両運搬具が複数ある場合は、これら車両運搬具の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。
今期計上した減価償却費、および未償却残高は、「青色申告の減価償却費の計算書」に全て書かれています。
今期新たに車両運搬具を追加した場合は、その車両運搬具の未償却残高も合わせた金額を記入してください。

 

期末の段階で、車両運搬具を1台も所有していない場合は、記入不要です。

工具 器具 備品(期首):青色申告の貸借対照表

工具 器具 備品とは、オフィスならエアコンや冷蔵庫などが該当します。

 

ここには、期首の工具 器具 備品の未償却残高を記入します。
前年度の「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、車両運搬具の未償却残高をここに記入してください。
工具 器具 備品が複数ある場合は、これら工具 器具 備品の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。

 

工具 器具 備品を1つも所有していない場合は、記入不要です。

工具 器具 備品(期末):青色申告の貸借対照表

工具 器具 備品の期首の未償却残高から、今期計上した減価償却費を引き算した金額を記入

 

つまり、「青色申告の減価償却費の計算書」に記入した、今期の車両運搬具の未償却残高をここに記入することになります。
工具 器具 備品が複数ある場合は、これら工具 器具 備品の全ての未償却残高を合わせた金額を記入してください。
今期計上した減価償却費、および未償却残高は、「青色申告の減価償却費の計算書」に全て書かれています。
今期新たに工具 器具 備品を追加した場合は、その工具 器具 備品の未償却残高も合わせた金額を記入してください。

 

期末の段階で、工具 器具 備品を1つも所有していない場合は、記入不要です。

④青色申告の損益計算書に減価償却費を記入する

青色申告の損益計算書は、以下になります。

この青色申告の損益計算書の中で、減価償却費は「⑱減価償却費」の項目に記入します。

ここに、各減価償却資産の今期計上した減価償却費の合計額を記入します。
すなわち、「青色申告の減価償却費の計算書」の「㋷本年分の必要経費算入額(㋣×㋠)」の合計額を、損益計算書に記入します。

 

以下に、記入例を示します。

青色申告で減価償却するポイントのおさらい

以上で、青色申告で減価償却する場合の、ポイントを全て紹介しました。
以下の手順でやると、非常に簡単にできますので、この手順で減価償却費を記入することをおすすめします。

①あなたがお持ちの減価償却資産の減価償却費を計算する

②青色申告の減価償却費の計算書に減価償却費を記入する

③青色申告の貸借対照表に減価償却費を記入する

④青色申告の損益計算書に減価償却費を記入する

では、みなさん、さっさと確定申告を済ませて、また商売に励みましょう!!

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