青色申告特別控除を受けるためには、青色申告で確定申告をする必要があります。
青色申告で確定申告をするには、「青色申告承認申請書」と「個人事業の開業・廃業等届出書」2つの書類を税務署に提出する必要があります。

 

青色申告特別控除には、65万円控除出来るパターンと、10万円控除出来るパターンの2パターンがあります。
それぞれ、条件が違いますので、ここでしっかりと抑えておいてください。

 

青色申告特別控除を受けるには

青色申告特別控除を受けるためには、青色申告で確定申告をする必要があります。

 

青色申告で確定申告を出来るようにするためには、「青色申告承認申請書」と「個人事業の開業・廃業等届出書」2つの書類が必要です。

青色申告承認申請書

その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

 

例えば、平成28年度の確定申告を青色申告でやりたい場合は、平成28年3月15日までに、「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

 

ただし、後述する「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する場合は、個人事業主として商売をすることを「自分で勝手に決めた」日から、2ヶ月以内に提出します。
詳しくは、国税庁HP『No.2070 青色申告制度』を御覧ください。

 

「青色申告承認申請書」のPDFファイルは、国税庁の『所得税の青色申告承認申請書』からダウンロード出来ます。

個人事業の開業・廃業等届出書

これは、個人事業主として商売をすることを「自分で勝手に決めた」日から、1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。
詳しくは、『[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続』を御覧ください。

 

「個人事業の開業・廃業等届出書」のPDFファイルは、国税庁の『個人事業の開業・廃業等届出書』からダウンロード出来ます。

青色申告特別控除で65万円の控除を受けるためには

まずは、国税庁が公式発表している、青色申告特別控除で65万円の控除を受けるための条件を御覧ください。
後で、分かりやすく説明します。

 

国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』には、65万円の控除を受けるための条件が書かれています。

1. 65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。

(1) 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。

(2) これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

(3) (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

(注)
1.現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。

2.不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が65万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。

3.不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。

国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』より

これらをまとめますと、青色申告特別控除で65万円の控除を受けるためには、以下の4つの条件が必要です。

<青色申告特別控除で65万円の控除を受ける条件>
①不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること

②複式簿記により記帳していること

③複式簿記の帳簿で所得税青色申告決算書を記入していること

④現金主義ではなく発生主義で会計処理していること

それぞれについて、詳しく説明していきます。

①不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること

事業所得を生ずべき事業とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業が該当します。

物販業は、「小売業」に該当します。
アフィリエイトなどの広告業は、「サービス業その他の事業」に該当します。

 

そして、「事業所得」と言っているので、確定申告書Bにある収入金額等欄と所得金額欄を「事業」で付けることが求められます。

 

こちらに青色申告の損益計算書の見本をお見せします。

これを、確定申告書Bにある収入金額等欄と所得金額欄を「事業」で付けると、以下のようになります。

 

これで、「事業」で付けたことになります。
そして、「事業」で付けたことにより、個人事業税を取られますので要注意です。

青色申告で個人事業税を一体いくら取られるのか?

小売業の場合、個人事業税は以下の式で計算されます。

個人事業税

個人事業税 =(年間総売上 - 必要経費 - 専従者給与等 - 290万円)× 5%

先程お見せした青色申告の損益計算書の見本を、もう一度お見せします。

この青色申告の損益計算書の例ですと、年間総売上は、57,475,834円です。
必要経費は、19,129,067円です。
専従者給与等は、0円です。

 

以上の情報を基にして、個人事業税を計算してみましょう。

個人事業税(計算例)
個人事業税 =(年間総売上 - 必要経費 - 専従者給与等 - 290万円)× 5%

個人事業税 =(57,475,834円 - 19,129,067円 - 0円 - 2,900,000円)×5%=1,772,338円(約180万円)

青色申告特別控除を受ける場合、私の例ですと、個人事業税として約180万円取られます。

②複式簿記により記帳していること

青色申告特別控除で65万円の控除を受けるためには、総勘定元帳などの複式簿記を採用した帳簿を付けていることが、求められます。

③複式簿記の帳簿で所得税青色申告決算書を記入していること

65万円の青色申告特別控除を受けるためには、総勘定元帳のような複式簿記の帳簿を使用して、所得税青色申告決算書を記入する必要があります。

 

というか、青色申告をするなら、総勘定元帳のような複式簿記の帳簿を使おうが、現金出納帳のような簡易な帳簿を使おうが、所得税青色申告決算書は絶対に提出する義務があります。

 

65万円の青色申告特別控除を受けないつもりでも、所得税青色申告決算書の損益計算書は、必ず提出する必要があります。

 

所得税青色申告決算書は、以下の3つの書類で構成されています。

青色申告の損益計算書(発生主義)

青色申告の減価償却費の計算書

青色申告の貸借対照表

 

この書類のPDFファイルは、『所得税青色申告決算書(一般用)【平成25年分以降用】』にあります。

記入方法につきましては、私のブログ記事の『青色申告』の記事カテゴリーに紹介されています。

④発生主義で会計処理していること

青色申告特別控除で65万円の控除を受けるためには、現金主義ではなく発生主義で会計処理することが求められます。

現金主義とは

現金主義とは、現金収入や支出があった日付で帳簿をつける方法です。

 

例として、3月14日に、3,500円のPCマウスを消耗品として購入して、クレジットカード決済したとしましょう。

クレジットカードが銀行口座から引き落とされるのは、翌月の、4月27日であったとします。

 

現金主義の場合、クレジットカードの引き落しのあった4月27日の日付で、帳簿に記帳します。

発生主義とは

発生主義とは、取引があった日付と、現金収入や支出があった日付の両方で帳簿をつける方法です。

 

3月14日に、3,500円のPCマウスを消耗品として購入して、クレジットカード決済したとしましょう。
クレジットカードが銀行口座から引き落とされるのは、翌月の、4月27日であったとします。

 

発生主義の場合、3月14日の日付と、4月27日の日付の両方で、帳簿に記帳します。

青色申告特別控除で10万円の控除になる場合

まずは、国税庁が公式発表している、青色申告特別控除で10万円の控除を受けるための条件を御覧ください。
後で、分かりやすく説明します。

 

国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』には、10万円の控除を受けるための条件が書かれています。

2. 10万円の青色申告特別控除

この控除は、上記1の要件に該当しない青色申告者が受けられます。

(注)

1.不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。

2.不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額から順次控除します。

国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』より

これらをまとめますと、青色申告特別控除で65万円の控除ではなく、10万円の控除を受けることになるのは、以下の場合です。

<青色申告特別控除で10万円の控除になってしまう場合>
①総勘定元帳のような複式簿記による帳簿でなく簡易な帳簿を使用した場合

②現金主義で会計処理した場合

③貸借対照表を確定申告書に添付しなかった場合

それぞれについて言及します。

①総勘定元帳のような複式簿記による帳簿でなく簡易な帳簿を使用した場合

簡易な帳簿とは「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿」です。

 

国税庁HP『No.2070 青色申告制度』には、以下のように書かれています。

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。

国税庁HP『No.2070 青色申告制度』より

以上の文言から、簡易な帳簿とは「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿」となります。

 

というか、ここは、複式簿記である総勘定元帳に記帳しましょう。
総勘定元帳の作成は、そこまで難しくありませんから。

 

総勘定元帳を作成するだけで、青色申告特別控除65万円の控除を受けられます。

また、総勘定元帳のようなきちんとした帳簿があれば、税務調査が入っても、税務署職員の印象が良くなります。

②現金主義で会計処理した場合

現金主義で会計処理した場合、青色申告特別控除は10万円になります。

 

国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』には、65万円の控除を受けるための条件が書かれています。

1.現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
国税庁HP『No.2072 青色申告特別控除』より

以上の文言から、発生主義ではなく、現金主義で会計処理をした場合、例え総勘定元帳のような複式簿記を作成しても、青色申告特別控除額は10万円になります。

発生主義と現金主義の違いについては、前述しました。

③貸借対照表を確定申告書に添付しなかった場合

貸借対照表を確定申告書に添付しなかった場合、10万円の控除になります。

 

また、青色申告特別控除10万円でも損益計算書を提出する必要があります。貸借対照表は不要です。

 

しかし、青色申告特別控除で10万円の控除になる人は、「上記1の要件に該当しない青色申告者」です。
「上記1の要件」の一つに、「(3) (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。」とあります。

これに該当しないということは、貸借対照表も損益計算書も不要、という風にもとれます。

 

ですが、ネットで調べたところ、貸借対照表は不要で、損益計算書は必要であるそうです。
この点につきましては、国税庁のHPを見ても、探すことが出来ませんでした。

 

そこで、私の顧問税理士にお聞きしたところ、「貸借対照表は不要で、損益計算書は必要」という認識でOKだそうです。

 

その他、青色申告特別控除10万円のポイントを紹介します。

青色申告特別控除10万円でも事業所得になる

青色申告の対象者は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。
よって、青色申告するなら、青色申告特別控除が65万円だろうが10万円だろうが、事業所得で確定申告する必要があります。

 

しかし、青色申告特別控除で10万円の控除になる人は、「上記1の要件に該当しない青色申告者」です。
「上記1の要件」の一つに、「(1) 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。」とあります。
これに該当しないということは、事業所得ではなく、雑所得として確定申告しても良い、という風にもとれます。

 

しかし、国税庁HP『No.2070 青色申告制度』には、以下のように書かれています。

(1)青色申告特別控除

青色申告をすることができる人は、 不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。

国税庁HP『No.2070 青色申告制度』より

この文言から、青色申告の対象者は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人であると言えます。
事業所得の反対が、雑所得になります。
残念ながら、青色申告をする場合、雑所得で確定申告出来ません。

 

青色申告特別控除が65万円だろうが10万円だろうが、事業所得で確定申告する必要があります。

雑所得で確定申告をするポイント

余談ですが、雑所得として確定申告するには、確定申告書Bにある収入金額等欄と所得金額欄を「雑」で付けます。

 

雑所得で確定申告をすると、地方税である個人事業税は取られません。

 

私の顧問税理士の話によると、今年度の売上と利益を、事業所得ではなく雑所得とするには、まず継続的な売上があるかどうかがポイントとなるそうです。
ある商売をやっていて、その商売の収入だけで生活を営むことが出来るような収入が、何年間も発生しているのであれば、事業所得となります。
事業所得となった場合、地方税である個人事業税を取られます。

 

ですが、その商売の収入が、今年度限りの一時的な収入であり、来年度以降は、その商売の収入だけで生活を営むことは不可能であると見込まれるのであれば、雑所得とすることが出来ます。

 

私は、物販業を副業でやっています。

 

初年度の売上が、約2,100万円ありました。
その翌年は、売上が5,000万円でした。

 

私の顧問税理士曰く、初年度の確定申告では、雑所得として申告書に記入出来るそうです。

 

しかし、次年度の確定申告は、雑所得とするのは「微妙」だと言われました。
前年度に売上が2,100万円もあり、今年度は、3倍近い売上があったからです。

 

結果的に、私の顧問税理士に頭を下げて頼み通して、何とか雑所得で通してもらいました。
幸い、道庁から何も言われること無く、事なきを得ました。

 

もし事業所得で通していたら、道庁から180万円近い個人事業税を取られるところでした。

まとめ:青色申告の65万円控除と青色申告の10万円控除の条件

青色申告特別控除として65万円の控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

<青色申告特別控除で65万円の控除を受ける条件>
①不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること

②複式簿記により記帳していること

③複式簿記の帳簿で所得税青色申告決算書を記入していること

④現金主義ではなく発生主義で会計処理していること

青色申告特別控除として10万円の控除になってしまうのは、以下の場合です。

<青色申告特別控除で10万円の控除になってしまう場合>
①総勘定元帳のような複式簿記による帳簿でなく簡易な帳簿を使用した場合

②現金主義で会計処理した場合

③貸借対照表を確定申告書に添付しなかった場合

ちなみに、青色申告をされる方は、全員「事業所得」があるとみなされ、地方税である個人事業税を取られます。

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