今回は、給湯器の購入費用の会計処理方法について紹介します。

 

ここで言う給湯器とは、風呂と洗面所とキッチンに給湯するための壁掛け給湯器の本体を指します。

 

給湯器は減価償却資産ですので、購入費用の勘定科目は、取得価額が10万円以下なら消耗品費、取得価額が10万円以上なら減価償却費となります。

 

減価償却費として経費計上する場合について。

 

給湯器の耐用年数は、6年です。

給湯器は有形減価償却資産ですので、耐用年数6年という情報に基づき、定額法または定率法で減価償却費を計算します。

 

以下、給湯器の減価償却費の計算方法を詳しくお伝えします。

給湯器は減価償却資産

給湯器は減価償却資産ですので、購入費用(取得価額)が10万円以上の場合は、勘定科目が減価償却費となります。

 

減価償却資産とは、複数年に渡って使用するもので、時間の経過等によってその価値が減っていくものです。

 

給湯器を購入したら、普通は何年間も使用しますよね。

そして給湯器は、使用していくうちにパイプ熱で変色したりして給湯器本体の価値が目減りしていきます。

 

ですので、給湯器は減価償却資産と言えます。

 

給湯器が減価償却資産であると裏付ける証拠を、もう一つお見せします。

 

国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(器具・備品)(その1)』を見てみましょう。

 

 

給湯器は、「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器」になります。

給湯器がこの耐用年数表に書かれているということは、給湯器は減価償却資産であることを示しています。

 

よって、給湯器は減価償却資産ですので、減価償却費として経費計上します。

給湯器の法定耐用年数は15年では?

ここで、国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(建物・建物附属設備)』にも、「ガス設備」と記載されています。

 

以下の図をご覧ください。

 

 

建物附属設備として、「給排水・衛生設備、ガス設備」とあります。

 

給湯器は「ガス設備」に該当しないのでしょうか?

答えは、給湯器本体でしたら「ガス設備」に該当せず、「器具・備品」になります。

 

「裁決事例集 No.39 – 201頁」が根拠です。

 

以下に、条文を紹介します。

減価償却資産の耐用年数に関する省令別表第一にいう「器具及び備品」は、建物とは構造上独立・可分のものであり、かつ、機能上建物の用途及び使用の状況に即した建物本来の効用を維持する目的以外の固有の目的により設置されたものであることを要するものと解するのが相当である。

本件建具等のうち、鋼製建具、木製建具、硝子工事及び畳敷物は、建物と構造上独立・可分のものとは認められないから、「器具及び備品」に該当しないことは明らかであり、また、ユニットバスについては、建物内の浴室と予定され、給湯及び給排水設備が施工された場所に、浴室ユニット部材を結合させて一個の浴室を形成しているもので、本件建物の部屋の一つであるから「器具及び備品」に該当しないことは明らかである。

「建物に設置された鋼製建具、木製建具、畳敷物及びユニットバス等は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一の「建物」に該当するとした事例」より

 

給湯器は、「建物とは構造上独立・可分のもの」です。

そして、給湯器は建物の鉄骨など「建物本来の効用を維持する目的により設置されたもの」ではありません。

 

以上から、給湯器は「器具及び備品」に該当します。

 

建物附属設備に該当する「ガス設備」というと、工場のガス配管や供給設備などがあります。

これらは、建物と一体となって機能する物ですので、建物附属設備です。

 

また、ここでは詳しくは説明しませんが、飲食業の厨房施設のガス給湯器は耐用年数が8年で、美容室のガス給湯器は13年になります。

給湯器は有形減価償却資産

給湯器が減価償却資産であることは、お分かり頂けましたでしょうか?

 

減価償却資産は、有形減価償却資産と無形減価償却資産に大別されます。

 

給湯器は有形減価償却資産に該当します。

有形減価償却資産とは、「形があるもの、かつ、複数年に渡って使用するもの」です。

 

給湯器は、実物を見たら給湯器であると認識できますよね。

そして、先程も申し上げましたが、給湯器を購入したら、普通は何年間も使用します。

 

ゆえに、給湯器は有形減価償却資産です。

 

減価償却費の計算方法には、定額法と定率法の2つがあります。

 

有形減価償却資産の場合、この両方が使用できます。

 

それに対して、スマートフォンのような無形減価償却資産は、定額法のみ使用が認められています。

 

スマートフォンの減価償却費の計算方法につきましては、『スマートフォンは減価償却する必要があるが抜け道もあります!』を御覧ください。

 

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給湯器の法定耐用年数は6年

給湯器の耐用年数は6年です。

 

もう一度、国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(器具・備品)(その1)』を見てみましょう。

 

 

耐用年数が6年と記載されていますね。

なので、給湯器の耐用年数は6年です。

給湯器の取得価額とは

給湯器本体及びそれらの設置費用が、給湯器の取得価額になります。

給湯器の取得価額を税込みで見るか税抜きで見るか

給湯器の購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます。

 

例えば、リンナイで給湯器を購入して、レジで10万円支払ったとしましょう。

 

この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。

 

税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度に給湯器の取得価額を一括経費計上出来ません。

 

ですが税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度に給湯器の取得価額を一括経費計上出来ます。

 

今年度に、給湯器の取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。

 

2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。

 

詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、給湯器の取得価額を強制的に税込みで見ることになります。

 

どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

給湯器の減価償却費を計算

給湯器は有形減価償却資産ですので、耐用年数6年の情報に基づき、定額法または定率法で減価償却費を計算するのが原則です。

 

ですが、給湯器の取得価額によっては、消耗品費として一括経費計上出来たりなど、特例が用意されています。

給湯器の取得価額が10万円未満⇒消耗品費として経費計上可能

給湯器の取得価額が10万円未満の場合、少額の減価償却資産という扱いになり、勘定科目を消耗品費または雑費と扱って、一括経費計上することも出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』が根拠です。

 

このページには、以下のような文言が記載されています。

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。

・・・

使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』より

 

経費の勘定科目が何かについて、上記の文言からは読み取れません。

 

しかし、消耗品費として一括経費計上して問題ないでしょう。

勘定科目を消耗品費ではなく、雑費として計上しても良いかと思います。

給湯器を複数台購入した場合

給湯器を複数台購入した場合、1台当たりの金額で判断します。

 

例えば、現在楽天市場に42,840円で売られている「リンナイ*RUX-V1611SWFA-E ガス給湯器 屋内壁掛型 FE式 [給湯専用] 16号」を3台購入したとしましょう。

 

自宅への輸送費・設置費用として、1台当たり10,000円かかったとします。

この場合、1台当たり取得価額は52,840円になります。

 

3台合計の取得価額は158,520円になりますが、1台当たりの取得価額が10万円未満であるため、減価償却費ではなく消耗品費または雑費として経費計上します。

給湯器の取得価額が10万円以上20万円未満⇒一括償却資産に出来る!

給湯器の1台当たりの取得価額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産とみなして、3年間で均等償却することも出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』のページには、以下の文言が記載されています。

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』より

 

一括償却資産と扱って、3年間で均等償却する場合で、減価償却費を計算してみましょう。

 

現在楽天市場に128,520円で売られている「ノーリツ ガス給湯器 GQ-2437WX-TBL」を購入したとします。

 

輸送費と設置費用が合わせて25,000円であったとします。

取得価額は153,520円ですね。

 

3月27日に購入したとします。

月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は10ヶ月です。

 

給湯器を設置した部屋は、業務以外にも私用で使うこともあるので、事業割合を80%とします。

 

一括償却資産として給湯器の減価償却費を計算する場合、以下のように計算できます。

※白色申告の収支内訳書の「○減価償却費の計算」欄や、青色申告の減価償却費の計算書に記入できるよう、計算方法を詳細に紹介します。

■減価償却費

給湯器
取得価額 153,520円
3月27日に取得
事業割合 80%

取得価額10万円以上20万円未満なので、一括償却資産として、定額法で3年償却する方法を選択

減価償却費 = 取得価額 ÷ 3年 × 使用月数 ÷ 12ヶ月

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

(1年目)
期首簿価 = 153,520円
減価償却費 = 153,520円 ÷ 3年 × 10ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 42,644円

事業専用分 = 42,644円 × 80% = 34,115円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 42,644円 × 20% = 8,529円
償却累積額 = 42,644円
期末簿価 = 153,520円 – 42,644円 = 110,876円

(2年目)
期首簿価 = 110,876円
減価償却費 = 153,520円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 51,173円

事業専用分 = 51,173円 × 80% = 40,938円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 51,173円 × 20% = 10,235円
償却累積額 = 42,644円 + 51,173円 = 93,817円
期末簿価 = 110,876円 – 51,173円 = 59,703円

(3年目)
期首簿価 = 59,703円
減価償却費 = 153,520円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 51,173円

事業専用分 = 51,173円 × 80% = 40,938円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 51,173円 × 20% = 10,235円
償却累積額 = 93,817円 + 51,173円 = 144,990円
期末簿価 = 59,703円 – 51,173円 = 8,530円

※期末簿価が1円にならないのは、1年目の減価償却費の計算時に、使用月数を12ヶ月ではなく10ヶ月として計算したため。

 

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給湯器の取得価額が20万円以上⇒耐用年数に応じて計算

給湯器の1台当たりの取得価額が20万円以上の場合、耐用年数6年の情報に基づき、定額法または定率法で減価償却費を計算します。

給湯器の減価償却費を定額法で計算

定額法とは、取得価額を耐用年数で均等に分割して減価償却費を計算する計算方法です。

 

ですので、単純に「取得価額÷耐用年数」と考えれば良いのですが、正式には、「償却率」というものを使用して減価償却費を計算します。

 

「償却率」は、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』に掲載されています。

 

給湯器の耐用年数6年という情報を基に、償却率を調べましょう。

 

 

この表を見ますと、「定額法償却率」が0.167と分かります。

 

以上の情報を基に、給湯器の減価償却費を定額法で計算してみましょう。

 

リンナイの「RUXC-V5002MG 13A ガス給湯器 業務用タイプ 50号」を、291,299円で購入したとします。

 

輸送費用と取り付け費に、30,000円かかったとします。

取得価額は、321,299円ですね。

 

1月11日に購入したとします。

月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は12ヶ月です。

 

給湯器は、業務以外にも私用で使うこともあるので、事業割合を80%とします。

 

以上の情報を基に、給湯器の減価償却費を定額法で計算してみましょう。

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

※白色申告の収支内訳書の「○減価償却費の計算」欄や、青色申告の減価償却費の計算書に記入できるよう、計算方法を詳細に紹介します。

■減価償却費

給湯器
取得価額 321,299円
1月11日に取得
事業割合 80%
耐用年数 6年

定額法

減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

定額法の償却率 = 0.167

(1年目)
期首簿価 = 321,299円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円

事業専用分 = 53,657円 × 80% = 42,926円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,657円 × 20% = 10,731円
償却累積額 = 53,657円
期末簿価 = 321,299円 – 53,657円 = 267,642円

(2年目)
期首簿価 =267,642円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円

事業専用分 = 53,657円 × 80% = 42,926円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,657円 × 20% = 10,731円
償却累積額 = 53,657円 + 53,657円 = 107,314円
期末簿価 = 267,642円 – 53,657円 = 213,985円

(3年目)
期首簿価 = 213,985円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円

事業専用分 = 53,657円 × 80% = 42,926円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,657円 × 20% = 10,731円
償却累積額 = 107,314円 + 53,657円 = 160,971円
期末簿価 = 213,985円 – 53,657円 = 160,328円

(4年目)
期首簿価 = 160,328円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円

事業専用分 = 53,657円 × 80% = 42,926円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,657円 × 20% = 10,731円
償却累積額 = 160,971円 + 53,657円 = 214,628円
期末簿価 = 160,328円 – 53,657円 = 106,671円

(5年目)
期首簿価 = 106,671円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円

事業専用分 = 53,657円 × 80% = 42,926円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,657円 × 20% = 10,731円
償却累積額 = 214,628円 + 53,657円 = 268,285円
期末簿価 = 106,671円 – 53,657円 = 53,014円

(6年目)
期首簿価 = 53,014円
減価償却費 = 321,299円 × 0.167 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 53,657円 → 53,013円(期末簿価が1円になるよう調整する)

事業専用分 = 53,013円 × 80% = 42,410円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 53,013円 × 20% = 10,603円
償却累積額 = 268,285円 + 53,013円 = 321,298円
期末簿価 = 53,014円 – 53,013円 = 1円

給湯器の減価償却費を定率法で計算

定率法とは、取得価額を償却率で乗じた値で減価償却費を耐用年数分計上していく計算方法です。

やや表現が分かりにくいですが、後で計算例をお見せしますので、そこで理解できるはずです。

 

定率法で計算する場合、償却率と改定償却率と保証率を調べます。

調べる先は、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』です。

 

まず、給湯器の耐用年数6年という情報を基に、償却率と改定償却率と保証率を調べます。

 

 

この表を見ますと、定率法の償却率が0.417、改定償却率が0.500、保証率が0.05776、と分かります。

 

以上の情報を基に、給湯器の減価償却費を定率法で計算してみましょう。

リンナイの「RUXC-V5002MG 13A ガス給湯器 業務用タイプ 50号」を、291,299円で購入したとします。

 

輸送費用と取り付け費に、30,000円かかったとします。

取得価額は、321,299円ですね。

 

1月11日に購入したとします。

月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は12ヶ月です。

 

給湯器は、業務以外にも私用で使うこともあるので、事業割合を80%とします。

 

以上の情報を基に、給湯器の減価償却費を定率法で計算してみましょう。

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

※白色申告の収支内訳書の「○減価償却費の計算」欄や、青色申告の減価償却費の計算書に記入できるよう、計算方法を詳細に紹介します。

■減価償却費

給湯器
取得価額 291,299円
1月11日に取得
事業割合 80%
耐用年数 6年

定率法

減価償却費 = 期首簿価 × 償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

償却率 = 0.417
改定償却率 = 0.500
保証率 = 0.05776

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
償却保証額 = 291,299円 × 0.05776 = 16,825円

(1年目)
期首簿価 = 291,299円
減価償却費 = 291,299円 × 0.417 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 121,472円

事業専用分 = 121,472円 × 80% = 97,178円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 121,472円 × 20% = 24,294円
償却累積額 = 121,472円
期末簿価 = 291,299円 – 121,472円 = 169,827円

(2年目)
期首簿価 = 169,827円
減価償却費 = 169,827円 × 0.417 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 70,818円

事業専用分 = 70,818円 × 80% = 56,654円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 70,818円 × 20% = 14,164円
償却累積額 = 121,472円 + 70,818円 = 192,290円
期末簿価 = 169,827円 – 70,818円 = 99,009円

(3年目)
期首簿価 = 99,009円
減価償却費 = 99,009円 × 0.417 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 41,287円

事業専用分 = 41,287円 × 80% = 33,030円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 41,287円 × 20% = 8,257円
償却累積額 = 192,290円 + 41,287円 = 233,577円
期末簿価 = 99,009円 – 41,287円 = 57,722円

(4年目)
期首簿価 = 57,722円
減価償却費 = 57,722円 × 0.417 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 24,070円

事業専用分 = 24,070円 × 80% = 19,256円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 24,070円 × 20% = 4,814円
償却累積額 = 233,577円 + 24,070円 = 257,647円
期末簿価 = 57,722円 – 24,070円 = 33,652円

(5年目)
期首簿価 = 33,652円
減価償却費 = 33,652円 × 0.417 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 14,033円
→償却保証額16,825円を下回っているので、改定償却率0.500を使用して、定額法で減価償却費を計算する

(5年目)
期首簿価 = 33,652円
減価償却費 = 33,652円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 16,826円

事業専用分 = 16,826円 × 80% = 13,461円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 16,826円 × 20% = 3,365円
償却累積額 = 257,647円 + 16,826円 = 274,473円
期末簿価 = 33,652円 – 16,826円 = 16,826円

(6年目)
期首簿価 = 16,826円
減価償却費 = 33,652円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 16,826円 → 16,825円(期末簿価が1円になるよう調整する)

事業専用分 = 16,825円 × 80% = 13,460円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 16,825円 × 20% = 3,365円
償却累積額 = 274,473円 + 16,825円 = 291,298円
期末簿価 = 16,826円 – 16,825円 = 1円

 

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給湯器の減価償却費は定額法で計算するのが原則

個人事業主の場合、特別な手続きをしない限り、定額法で減価償却費を計算します。

 

もし、定率法で減価償却費を経費計上したい場合、『所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出する必要があります。

 

ただし、この届出書は、事業を始めた年の確定申告時に提出する書類になります。

 

提出期限は、今年度分の確定申告期限までです。

平成28年度の確定申告をするのでしたら、提出期限は平成29年3月15日までです。

 

詳しくは、国税庁HP『[手続名]所得税の棚卸資産の評価方法の届出手続』を御覧ください。

 

もし、既に確定申告を経験しており、その時に給湯器を減価償却費として経費計上した、つまり一度でも定額法を

採用していた場合に定率法を採用したい場合、『所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の変更承認申請書』を税務署に提出する必要があります。

 

提出期限は、変更しようとする年の3月15日までです。

平成28年度の確定申告をするのでしたら、提出期限は平成29年3月15日までです。

 

例えば、本日(平成29年1月11日)提出した場合は、平成28年度分の確定申告は定額法で、平成29年度から定率法になります。

 

詳しくは、国税庁のページ『[手続名]所得税の減価償却資産の償却方法の変更承認申請手続』を御覧ください。

 

ただし、事業を始めてから3年間、確定申告を続け、定額法で減価償却費をしている場合のみ、定率法に変更可能であるという点に注意して下さい。

給湯器の取得価額10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。

 

給湯器の取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。

 

この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、給湯器の取得価額を、消耗品費として一括経費計上出来ます。

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・給湯器の取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。

 

白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。

 

青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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