物置は、有形減価償却資産という扱いになり、減価償却費として経費計上するのが原則です。

 

 

有形減価償却資産ですので、定額法または定率法で減価償却費を計算できますが、今回は課税対象となる「建物」に該当する物置を考えますので、定額法でしか計算出来ません。

 

物置の耐用年数は17年です。
だから、物置の取得価額を17分割して、減価償却費として経費計上します。

 

しかし、物置の取得価額によっては、一括経費計上出来たり、一括償却資産として3年間で減価償却出来たりもします。

 

以下、順を追って説明していきます。

 

物置は有形減価償却資産

減価償却資産とは、時の経過等によって価値が目減りしていく資産のことです。
物置は、設置してから風雪にさらされて、価値が下がっていきます。
だから、物置は減価償却資産と言えます。

 

そして、有形減価償却資産とは、「形があるもの、かつ、複数年に渡って使用するもの」です。
物置は、実物を見たら、物置だと認識できますよね。
そして、物置を一度設置したら、普通は買い換えずに何年間も使用します。

 

よって、物置は、有形減価償却資産という扱いになり、減価償却費として何年間かに分割して経費計上することになります。

 

ただし、ここでいう物置は、以下のような、基礎のしっかりした物置のことを前提としています。

 

このような物置は、課税対象となる「建物」とみなされます。
課税対象となる「建物」の場合、定額法のみしか認められていません。

 

課税対象となる「建物」とは、「土地定着性」、「外気遮断性」、「用途性」を備えたものです。
土地定着性とは、その建物が基礎などで土地に定着して使用できる状態のことを言います。
外気遮断性とは、屋根があり、三方以上壁や建具などに囲まれている状態のことです。
用途性とは、居宅・作業所・貯蔵庫などの用途として利用できる状態であるということです。

 

このような物置を、課税対象となる「建物」といいます。

 

物置の耐用年数は17年

物置の耐用年数は17年と、法律で決められています。

 

国税庁HP『耐用年数(建物・建物附属設備)』を見てみましょう。
物置はこのページにある、「構造・用途」が「金属造のもの」、「細目」が「骨格材の肉厚が、工場用・倉庫用のもの(一般用)」で「3㎜以下のもの」に該当します。

 

画像を見れば明らかな通り、物置の耐用年数は17年になります。

物置の取得価額

物置本体の価格と、物置の設置費用を合算した金額が、物置の取得価額になります。

 

物置は、物置本体の価格の他に、設置費用が別途かかります。
業者に委託して物置を設置してもらう際に発生した費用は、物置の取得価額に含めることが出来ます。

物置の減価償却費を計算

物置の減価償却費の計算は、原則は、耐用年数17年を基にして、定額法でやります。

 

ですが物置の取得価額に応じて、色々特例が用意されています。

物置の取得価額が10万円未満⇒一括経費計上出来る!

物置の取得価額が10万円未満の場合、消耗品費として一括経費計上出来ます。

 

消耗品費以外にも、雑費で経費計上してもよいでしょう。
私はそうしています。

 

なお、物置の取得価額が10万円未満の場合、消耗品費として一括経費計上出来るという事実は、国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』に記載されています。

 

内容を抜粋して紹介します。

使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

上記の文言には、経費が何かについての言及がありません。
しかし、一般的には消耗品費あるいは雑費として経費計上して問題ないでしょう。

物置の取得価額が10万円以上20万円未満⇒一括償却資産

物置の取得価額が10万円以上20万円未満、一括償却資産という扱いにして、定額法を用いて3年間で均等償却出来ます。

 

この事実は、国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』に記載されています。
内容を抜粋して、紹介します。

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

物置を一括償却資産として、定額法を用いて3年間で均等償却してみましょう。

 

例として、イナバの物置「イナバ ネクスタ(間口1530mm) 」を購入したとしましょう。

 

物置設置費用を含めた取得価額が139,320円であったとします。
7月21日に設置が完了したとします。
月半ばに取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、使用月数は6ヶ月です。
物置に私物を置いたりもするので、事業割合を80%とします。

 

一括償却資産として減価償却費を計算する場合、以下のように計算できます。

■減価償却費

物置
取得価額 139,320円(設置費用含む)
7月21日に取得
事業割合 80%

取得価額10万円以上20万円未満なので、一括償却資産として、定額法で3年償却する方法を選択

減価償却費 = 取得価額 ÷ 3年 × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 139,320円 ÷ 3年 × 6ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 18,576円

(2年目)
減価償却費 = 139,320円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 37,152円

(3年目)
減価償却費 = 139,320円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 37,152円

 

物置の取得価額が20万円以上⇒耐用年数に応じて計算

物置の取得価額が20万円以上の場合、耐用年数17年を基に、定額法で減価償却費を計算します。

物置の減価償却費を定額法で計算

例として、イナバの物置「イナバ ネクスタ(間口3050mm) 」を購入したとしましょう。

 

物置設置費用を含めた取得価額が279,720円であったとします。
7月21日に設置が完了したとします。
月半ばに取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、使用月数は6ヶ月です。
物置に私物を置いたりもするので、事業割合を80%とします。

 

定額法で減価償却費を計算する場合、以下のように計算できます。
※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

■減価償却費

物置
取得価額 279,720円(設置費用含む)
7月21日に取得
事業割合 80%
耐用年数 17年

定額法

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数(17年) × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 279,720円 ÷ 17年 × 6ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 6,582円(少数以下四捨五入)

(2年目)
減価償却費 = 279,720円 ÷ 17年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 13,163円(少数以下四捨五入)

(3年目)
減価償却費 = 279,720円 ÷ 17年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 13,163円(少数以下四捨五入)

・・・・

(16年目)
減価償却費 = 279,720円 ÷ 17年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 13,163円(少数以下四捨五入)

(17年目)
減価償却費 = 279,720円 ÷ 17年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 13,163円(少数以下四捨五入)

物置の取得価額が10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。

 

物置の取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。
この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、物置の取得価額を、消耗品費または雑費として一括経費計上出来ます。

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・物置の取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

物置の取得価額を税込みで見るか税抜きで見るか

物置の購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます。

 

例えば、ホームセンターのホーマックで物置を購入して、レジで10万円支払ったとしましょう。
この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。

 

税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度に物置の取得価額を一括経費計上出来ません。

 

これに対して、税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度に物置の取得価額を一括経費計上出来ます。

 

今年度に、物置の取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。

 

2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。
原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、物置の取得価額を強制的に税込みで見ることになります。
どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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