今回は、パソコン本体を購入した場合に、どのような勘定科目で経費計上して、帳簿に記帳するのかについてお話します。

 

パソコンの種類

ここで言うパソコンとは、プラウザをPCモードで閲覧するのに適した機械のことを言います。

 

具体的には、以下の機械のことを言います。

 

・デスクトップパソコン

・ノートパソコン

・タブレット

 

要は、スマホ以外の機械だと思えばOKです。

パソコンは減価償却資産

例えば、新車時100万円の価値があった車は、翌年には中古車となり100万円の価値はありません。さらに翌年にはもっと価値が下がります。
このように、時間の経過とともに価値が減っていく資産のことを、減価償却資産と言います。

 

減価償却資産は、「減価償却」という名がつくとおり、減価償却費として何年間か分割して経費計上することになります。

 

国税庁HP『主な減価償却資産の耐用年数(器具・備品)(その1)』を見てみましょう。
「構造・用途」が「事務機器、通信機器」の項目に「電子計算機 パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。)」とありますね。

 

よって、パソコンは減価償却資産になることが分かりますね。
パソコンは耐用年数が4年と決められています。

パソコンの経費計上のやり方

以下に言及する内容は、国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』に記載されている内容になります。

 

まず、パソコンの取得価額(購入金額)を求めます。
取得価額に応じて、経費計上のやり方が変わってきます。

取得価額の求め方

購入価格に消費税を含めるのかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます。

 

例えば、ビックカメラで100,000円のパソコン本体を購入して、レジで支払った場合、税込みでは取得価額は100,000円、税抜きでは取得価額は92,592円となります。

 

税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度に取得価額を一括経費計上出来ません。

 

これに対して、税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度に取得価額を一括経費計上出来ます。

 

消費税の課税事業者である場合は、税込みとするのか、税抜きとするのかを選べます。
原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、どちらの方も税込みとするのか、税抜きとするのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するのでご注意を。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、パソコンの取得価額を強制的に税込みで見ることになります。
どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

取得価額が10万円未満

取得価額が10万円未満、つまり99,999円以下のパソコン本体を購入した場合、購入した年度に全額一括して経費計上します
減価償却費として経費計上しません。

 

例えばビックカメラで店頭販売価格84,000円のパソコン本体を購入した場合、取得価額84,000円を全額一括して経費計上出来ます。

 

ところで、パソコン本体が10万円を切るのは、安すぎると思うかもしれません。
ですが現在は、インテルなどの部品メーカーの部品を集めて、自社組み立てたBTOパソコンというのがドスパラやツクモで売られています。
BTOパソコンは、かなり性能の良いものが10万円以下で入手出来ます。

取得価額が10万円以上20万円未満

一括償却資産と扱って3年間で均等償却します。

 

パソコン本体の購入価格が180,000円でしたら、今年度は、減価償却費として60,000円を経費計上することになります。
ただし、この場合は減価償却資産扱いになるので、車両運搬具の場合と同じく、月割する必要があります。
このパソコン本体を9月半ばに購入した場合は、今年度の使用期間が4ヶ月とみなされます。

 

上記の取得価額180,000円のパソコン本体を、9月半ばに購入した場合で、減価償却費を計算してみましょう。

■減価償却費

パソコン本体
取得価額180,000円(10万円以上20万円未満)
9月半ばに取得

(1年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 20,000円
(2年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 = 60,000円
(3年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 = 60,000円

取得価額が20万円以上

耐用年数4年として、減価償却費を経費計上します。

 

減価償却費を計算するとき、定額法と定率法で計算する方法があります。
定額法と定率法それぞれの場合で、減価償却費を計算してみましょう。

パソコン本体を定額法で計算

定額法では、パソコンの取得価額を耐用年数4年で割って、減価償却費を算出します。

 

例えば、年度初めに、ドスパラでハイエンドデスクトップマシンを40万円で購入したとします。
定額法では、以下のように計算できます。

■減価償却費(取得価額40万円 定額法 パソコン本体 耐用年数4年 月数按分なし 事業割合加味せず)

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数

(1年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 = 10万円
(2年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 = 10万円
(3年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 = 10万円
(4年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 = 10万円 → 99,999円(期末簿価が1円になるよう調整)

単純に、取得価額を耐用年数4年で割っているだけですね。

 

ちなみに、このパソコンを9月に購入しており、事業以外にもネットサーフィンをやるなどしていた場合(事業割合80%)、減価償却費は以下のように計算できます。

■減価償却費(取得価額40万円 定額法 パソコン本体 耐用年数4年 9月取得 事業割合80%)

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数

(1年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 × 80% × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 26,667円(少数以下切り上げ)
(2年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 × 80% = 8万円
(3年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 × 80% = 8万円
(4年目)
減価償却費 = 40万円 ÷ 4年 × 80% = 8万円

 

パソコン本体を定率法で計算

定率法で計算する場合、まず償却率と改定償却率と保証率を、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』から探します。

 

保証率が分かりましたら、パソコン本体の取得価額に掛けて、償却保証額を求めます。
償却率が分かりましたら、パソコン本体の取得価額に掛けて、減価償却費を求めます。
翌年度は、パソコン本体の未償却残高に償却率を掛けて、減価償却費を求めます。
もしこの減価償却費が償却保証額以下でしたら、改定償却率を使用して減価償却費を求めます(※定額法に切り替えて減価償却費を求めた場合と同じ計算結果になります)。

 

実際に計算してみましょう。
先程と同じく、年度初めに、ドスパラでハイエンドデスクトップマシンを40万円で購入したとします。

■減価償却費(取得価額40万円 定率法 パソコン本体 耐用年数4年 月数按分なし 事業割合加味せず)

減価償却費 = 未償却残高 × 償却率
償却保証額 = 取得価額 × 保証率

償却率 = 0.625
改定償却率 = 1.000
保証率 = 0.05274

償却保証額 = 400,000円 × 0.05274 = 21,096円
未償却残高 = 400,000円

(1年目)
減価償却費 = 400,000円 × 0.625 = 25万円
償却累積額 = 250,000円
未償却残高 = 150,000円

(2年目)
減価償却費 = 15万円× 0.625 = 93,750円
償却累積額 = 343,750円
未償却残高 = 56,250円

(3年目)
減価償却費 = 56,250円× 0.625 = 35,156円(少数以下切り上げ)
償却累積額 = 378,906円
未償却残高 = 21,093円

(4年目)
減価償却費 = 21,093円 × 0.625 = 13,184円(少数以下切り上げ)
償却保証額21,096円より小さいので、改定償却率を使用して、定額法で減価償却費を計算する

(4年目)
減価償却費 = 21,093円 × 1.000 = 21,093円 → 21,092円(期末簿価が1円になるよう調整)
償却累積額 = 399,999円
未償却残高 = 1円

※改定償却率が1.000(100% = 1)なので、定額法で1年で一括償却して計算した場合と同じ結果になる。

ちなみに、このパソコンを9月に購入しており、事業以外にもネットサーフィンをやるなどしていた場合(事業割合80%)、減価償却費は以下のように計算できます。

■減価償却費(取得価額40万円 定率法 パソコン本体 耐用年数4年 9月取得 事業割合80%)

減価償却費 = 期首簿価 × 償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

償却率 = 0.625
改定償却率 = 1.000
保証率 = 0.05274

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
償却保証額 = 400,000円 × 0.05274 = 21,096円

(1年目)
期首簿価 = 400,000円
減価償却費 = 400,000円 × 0.625 × 5ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 104,167円

事業専用分 = 104,167円 × 80% = 83,333円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 104,167円 × 20% = 20,833円
償却累積額 = 104,167円
期末簿価 = 400,000円 – 104,167円 = 295,833円

(2年目)
期首簿価 = 295,833円
減価償却費 = 295,833円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 184,896円

事業専用分 = 184,896円 × 80% = 147,917円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 184,896円 × 20% = 36,979円
償却累積額 = 104,167円 + 184,896円 = 289,063円
期末簿価 = 295,833円 – 184,896円 = 110,938円

(3年目)
期首簿価 = 110,938円
減価償却費 = 110,938円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 69,336円

事業専用分 = 69,336円 × 80% = 55,469円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 69,336円 × 20% = 13,867円
償却累積額 = 289,063円 + 69,336円 = 358,398円
期末簿価 = 110,938円 – 69,336円 = 41,602円

(4年目)
期首簿価 = 41,602円
減価償却費 = 41,602円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 26,001円

事業専用分 = 26,001円 × 80% = 20,801円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 26,001円 × 20% = 5,200円
償却累積額 = 358,398円 + 26,001円 = 384,399円
期末簿価 = 41,602円 – 26,001円 = 15,601円

※1年目に12ヶ月使用していないため、全額償却出来ない。

なお、『新車を購入したが節税対策にならなかった事実を公表します』には車両運搬具の計算例が記載されています。
参考にしてください。

取得価額が10万円以上30万円未満⇒少額減価償却資産制度

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。
パソコン本体の取得価額が10万円以上になりますと、その年に取得価額を一括して経費計上出来ません。

 

しかし、青色申告の方は、パソコン本体の取得価額が10万円以上30万円未満の場合、少額減価償却資産制度を利用して、一括して経費計上出来る可能性があります
以下に、少額減価償却資産制度の概要を示します。

少額減価償却資産制度の利用基準

以下の条件が必要です。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・パソコン本体の取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

例えば、パソコン本体の取得価額が25万円で、購入した年は他に自動車などを購入しなかった場合、青色申告の方は少額減価償却資産制度を利用して、パソコン本体の取得価額を一括して経費計上出来ます。

 

ですが、パソコン本体を購入した年に、300万円の自動車を購入した場合は、少額減価償却資産制度を利用出来ません。

パソコン本体の経費の勘定科目

パソコン本体の取得価額(購入価格)に応じて、帳簿に記帳する勘定科目が変わってきます。

取得価額が10万円未満

取得価額が10万円未満のものは、消耗品費扱いにして、取得価額を帳簿に記帳します。
私は、総勘定元帳に、「雑費」扱いにして、取得価額を帳簿に記帳しています。

 

ただし、取得価額全額を記帳してはいけません。
ネットサーフィンをやったりなど、事業以外にも使用したりするからです。
ですから、取得価額を事業割合で按分して記帳してください。

 

記帳のやり方は、私が販売する確定申告の教材である総勘定元帳に記載されています。

取得価額が10万円以上20万円未満

減価償却費として、帳簿に記帳します。
一括償却資産と扱って3年間で均等償却します。
計算方法は、先程示しましたので、そちらを参考にしてください。

 

事業割合で按分することを、お忘れなく。

 

減価償却費の記帳方法は、私が販売する確定申告の教材である総勘定元帳に記載されています。

取得価額が20万円以上

減価償却費として、帳簿に記帳します。

 

耐用年数が4年であるので、それをもとに、定額法または定率法で減価償却費を計算してください。
定額法と定率法での減価償却費の計算方法は、先程示しました。

事業割合で按分することを、お忘れなく。

 

記帳方法は、私が販売する確定申告の教材である総勘定元帳に記載されています。

取得価額10万円以上30万円未満

取得価額に応じて、減価償却費として帳簿に記帳します。
青色申告の方は、少額減価償却資産制度を利用して、消耗品費扱いにして、取得価額を帳簿に記帳出来ます。
私は、「雑費」扱いにして、総勘定元帳に記帳しています。

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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