パソコンソフトは「無形減価償却資産」となり、定額法を用いて5年間で均等償却するのが原則です。

 

パソコンソフトの取得価額を、消耗品費として一括して経費計上するのはダメです。
仮に消耗品費として一括経費計上してしまった場合、経費の水増しになりますので、税務調査が入ったら、そこを突っ込まれて追徴される恐れがあります。

 

ですが、パソコンソフトの取得価額によっては、国税庁が用意した特例を利用して、一括経費計上することも出来ます

 

以下、順を追って説明していきます。

 

パソコンソフトの具体例

Windows10などのOSソフト

Microsoft Excel

Excelは、店舗リストを作成するのに、非常に使えます。
確定申告の際にも、Excelがあると、作業が非常に捗ります。

Microsoft Word

ATOKなどの日本語入力ソフト

アフィリエイトで記事を書く時、日本語入力システムソフトがあると、作業が捗ります。

ウィルスバスターなどのウィルス対策ソフト

Adobe Acrobat DCなどのPDFソフト

私は、インフォプレナーで、教材を自己出版しています。
教材をPDF化する際に、暗号化をしています。
暗号化は、フリーソフトでは対応していませんので、お金を出してPDFソフトを購入しました。

パソコンソフトは無形減価償却資産

パソコンソフトは無形減価償却資産という扱いとなり、耐用年数を5年間とみなして、定額法で均等償却します。

 

耐用年数につきましては、国税庁HP『No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数』に掲載されています。

無形減価償却資産の減価償却費の計算は定額法しか認められていない、という事実につきましてはWikipediaの『減価償却』に記載されています。国税庁HPから、この事実を探すことは出来ませんでした。

無形減価償却資産とは

無形減価償却資産とは、「形のないもの、かつ、複数年に渡って使用するもの」を言います。

 

Microsoft Excelなどのパソコンソフトを一度インストールしたら、普通は何年間も使用します。
つまり、複数年に渡って使用価値があると言えます。

 

こうした、何年間も使用する価値があるものは、購入した年度に一括経費計上するのではなく、複数年に渡って分割して、減価償却費として経費計上します。

 

減価償却費の計算方法は、取得価額に応じて変わってきます(後述します)。

有形減価償却資産とは

有形減価償却資産とは、「形のあるもの、かつ、複数年に渡って使用するもの」を言います。

 

パソコン、パソコン本体、車両運搬具などを言います。
これらも、一度購入したら、その後何年間も使用しますね。
ですので、無形減価償却資産と同様に、購入した年度に一括経費計上するのではなく、複数年に渡って分割して、減価償却費として経費計上します。

 

減価償却費の計算方法につきましては、以下の記事に詳しく紹介されています。

パソコン本体の購入費用を個人事業主の経費で計上する方法とは?
パソコンの修理代の勘定科目は何か?何が経費に認められる?
新車を購入したが節税対策にならなかった事実を公表します

パソコンソフトの取得価額とは

この取得価額とは、今年度に購入したパソコンソフトの購入価格を全て合わせた金額のことです。

 

例えば、Microsoft OfficeとAdobe Acrobat DCを購入して、その購入価格が8万円であったとしましょう。今年度は、これ以外のパソコンソフトを購入していません。
この場合、取得価額が10万円未満になります。

税込みか税抜きかで取得価額が変わる

パソコンソフトの購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます

 

例えば、ビックカメラでパソコンソフトを購入して、レジで10万円支払ったとしましょう。
この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。

 

税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度にパソコンソフトの取得価額を一括経費計上出来ません

これに対して、税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度にパソコンソフトの取得価額を一括経費計上出来ます
今年度に、パソコンソフトの取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。

 

2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。
原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、パソコンの取得価額を強制的に税込みで見ることになります。

 

どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

パソコンソフトの勘定科目は

原則「減価償却費」の勘定科目に記帳します。

 

ですが、パソコンソフトの取得価額によっては、消耗品費の勘定科目に一括経費計上することも出来ます

 

パソコンソフトの取得価額によって、勘定科目が変わってきます。

パソコンソフトの取得価額が10万円未満

原則5年間で均等償却しますが、消耗品費として、今年度に一括して経費計上することも可能です。

 

取得価額が10万円未満の資産を一括償却できる、「少額減価償却資産の特例」が用意されているからです。
国税庁HP『No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示』に記載されています。

 

もし今年度売上がたくさん出て、納税額が高くつくようでしたら、「少額減価償却資産の特例」を活用して、パソコンソフトの取得価額を消耗品費として一括経費計上して、経費を増やすと良いでしょう。

 

今年度の売上がさほどでもない方は、5年間で均等償却しましょう。
今年度購入したパソコンソフトの経費を、来年度に一部回すことが出来るからです。

無形減価償却資産を5年間で均等償却する

パソコンソフトの取得価額を5年間で均等償却する場合の、計算例をお見せします。

 

例えば、Microsoft OfficeとAdobe Acrobat DCを購入して、購入価格が8万円であった場合を考えます。
9月半ばに購入し、事業に使用する割合(事業割合)が80%であったとします。

 

減価償却費は、以下のように計算できます。

■減価償却費

パソコンソフト
取得価額 80,000円
9月半ばに取得
事業割合 80%

無形減価償却資産、かつ、10万円未満なので、定額法を用いて5年間で均等償却

減価償却費 = 取得価額 ÷ 5年 × 事業割合 × 使用月数 ÷ 12

(1年目)
減価償却費 = 80,000円 ÷ 5年 × 80% × 4 ÷ 12 = 4,267円

(2年目)
減価償却費 = 80,000円 ÷ 5年 × 80% = 12,800円

(3年目)
減価償却費 = 80,000円 ÷ 5年 × 80% = 12,800円

(4年目)
減価償却費 = 80,000円 ÷ 5年 × 80% = 12,800円

(5年目)
減価償却費 = 80,000円 ÷ 5年 × 80% = 12,800円

※事業割合で按分しているので、全額償却出来ない。

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に習います。

パソコンソフトの取得価額が10万円以上20万円未満

減価償却費として経費計上します。

 

無形減価償却資産ですので、原則5年間で均等償却することになります。

 

ですが、「一括償却資産の特例」を活用して、3年間で均等償却することも出来ます。
「一括償却資産の特例」につきましては、国税庁HP『No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示』を御覧ください。

 

次に計算例をお見せします。
5年間で均等償却する場合につきましては、先ほど紹介しましたので、一括償却資産として3年間で均等償却する場合の計算例をお見せします。

無形減価償却資産を一括償却資産として3年間で均等償却する

例えば、Microsoft OfficeとAdobe Acrobat DCと一太郎2017 5本パックを購入して、購入価格が18万円であった場合を考えます。

 

9月半ばに購入し、事業に使用する割合(事業割合)が80%であったとします。
減価償却費は、以下のように計算できます。

■減価償却費

パソコンソフト
取得価額 180,000円
9月半ばに取得
事業割合 80%

無形減価償却資産を一括償却資産として3年間で均等償却

減価償却費 = 取得価額 ÷ 3年 × 事業割合 × 使用月数 ÷ 12

(1年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 × 80% × 4 ÷ 12 = 16,000円

(2年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 × 80% = 48,000円

(3年目)
減価償却費 = 180,000円 ÷ 3年 × 80% = 48,000円

※事業割合で按分しているので、全額償却出来ない。

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に習います。

パソコンソフトの取得価額が20万円以上

定額法を用いて、5年間で均等償却します。

 

パソコン、パソコン本体、車両運搬具などの有形減価償却資産とは異なり、定率法を使うことは認められていません。
5年間で均等償却する場合の計算方法については、先ほど紹介しました。

パソコンソフトの取得価額が20万以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。
パソコンソフトの取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。
この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、パソコンソフトの取得価額を、消耗品費として一括経費計上出来ます

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・パソコンソフトの取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

 

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

【PR】弥生シリーズを使おう!

弥生シリーズは、帳簿~確定申告書の作成まで、簡単にかつ完璧にできます!

 

さらに、ベーシックプランにも加入すれば、税務調査対策の相談もできます!

 

弥生シリーズには、青色申告オンラインと、白色申告オンラインがあります。

やよいの青色申告オンライン

 

やよいの青色申告オンラインの料金は、毎月たった1,080円です。

(ベーシックプランなしなら、1年間無料)

やよいの白色申告オンライン

 

やよいの白色申告オンラインの料金は、毎月たった720円です。

(ベーシックプランなしなら、ずっと無料)

【PR】年間売上1,000万円以上なら税理士に依頼を!

当期の年間総売上が1,000万円以上あるなら、税理士を雇いましょう。

 

税理士を雇うと、税務調査が入ったら、税理士が間に入って一緒に戦ってくれます。

 

私は、顧問税理士とは、以下のサイトで出会いました。

 

 

税理士紹介エージェントは、優秀な税理士が多数登録されており、非常に評判が高いサイトでオススメです!

私は顧問税理士を一度変えています。

最初の顧問税理士は、タウンワークを使って、自分で探しました。

その結果、税務署上がりの無能な税理士に当たってしまい、散々な目に遭いました。

税理士紹介エージェントを使えば、無能な税理士に当たることはまず無いはずなので、税理士を雇う場合はこちらを使いましょう。

そして、来るべき税務調査に備えてください。

以上です。