勘定科目として、パソコンを修理した場合は「修繕費」、パソコンの周辺機器を購入した場合は「消耗品費」として経費計上します
ですが、ある時期にまとめて購入した場合は、減価償却資産となり、減価償却費として経費計上することもあります。

 

以下、順を追って説明していきます。

 

目次

パソコン部品や周辺機器の例

以下、例を示します。

パソコン周辺機器

パソコンディスプレイ

パソコンキーボード

パソコンマウス

マウスパッド

HDMIケーブル

ヘッドホンアンプ

ヘッドホンアンプの電源ケーブル

USBケーブル A to Bタイプ

ヘッドホン

ヘッドホンスタンド

無線LANルーター親機

無線LAN子機

USBハブ

OAタップ

壁コンセント

プリンター

 

パソコン部品

PCケース

マザーボード

メモリ

HDD

SSD

CPU

CPU冷却ファン

グラフィックボード

電源ユニット

CPU冷却ファンのケーブル

電源ケーブル

SATAケーブル

パソコンの修理代の勘定科目は原則「修繕費」か「消耗品費」

修繕費

パソコンが故障して起動しなくなった場合は、SDDやHDDやマザーボードなどの部品を購入して修理します。
この場合の購入費用は、「修繕費」として経費計上します。

 

自分で修理できない場合は、修理業者に依頼することになるでしょう。
この場合、部品代の他に修理業者の作業料が発生します。
帳簿に記帳する場合は、部品代と作業料を全て合わせた金額を、「修繕費」として経費計上します。

 

また、パソコン本体をパワーアップさせる目的で、メモリの増設や、HDDをSSDに換装した場合なども、その購入費用を「修繕費」として経費計上します。

消耗品費

パソコンディスプレイやキーボードやマウスなどのパソコン周辺機器を買い替えたり、買い足したりした場合の購入費用は、「消耗品費」として経費計上します。

パソコンの修理代の勘定科目が「減価償却費」になることも

パソコン部品や周辺機器を、ある時期にまとめて購入した場合、「減価償却費」として経費計上することもあります。
これらのパソコン部品や周辺機器の購入費用を、取得価額と呼びます。
この取得価額の金額に応じて、減価償却費として経費計上するのか、修繕費や消耗品費として経費計上するかどうかが分かれます。

 

以下に、取得価額の金額に応じてどんな勘定科目になるのかについて、お話します。

取得価額が10万円以下

パソコン部品や周辺機器をある時期にまとめて購入した場合、その購入価格が10万円以下になる場合、購入した年度に全額一括して経費計上します。

 

パソコンの修理や、パソコンをスペックアップさせる目的でパソコン部品を購入したなら、各部品を「修繕費」として経費計上します。

 

ディスプレイやキーボードなどのパソコン周辺機器を購入したなら、各周辺機器を「消耗品費」として経費計上します。
私は「消耗品費」ではなく、「雑費」として経費計上しています。

取得価額が10万円以上20万円以下

パソコン部品や周辺機器をある時期にまとめて購入した場合、その購入価格が10万円以上20万円以下になる場合、減価償却費として経費計上しなくてはなりません。
減価償却の方法は、定額法で3年償却(一括償却資産)します。

 

計算例を示します。
例えば、EIZOの高級モニターを3台購入し、購入価格が15万円であった場合を考えます。
9月半ばに購入し、事業に使用する割合(事業割合)が80%であったとします。

 

減価償却費は、以下のように計算できます。

■減価償却費

EIZOの高級モニター 3台
取得価額150,000円
9月半ばに取得
事業割合 80%

取得価額が10万円以上20万円未満なので、3年償却(一括償却資産)

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数(3年) × 事業割合 × 使用月数 ÷ 12

(1年目)
減価償却費 = 150,000円 ÷ 3年 × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 13,333円

(2年目)
減価償却費 = 150,000円 ÷ 3年 × 80% = 40,000円

(3年目)
減価償却費 = 150,000円 ÷ 3年 × 80% = 40,000円

 

取得価額が20万円以上

パソコン部品や周辺機器をある時期にまとめて購入した場合、その購入価格が20万円以上になる場合、先ほどと同様に、減価償却費として経費計上しなくてはなりません。
取得価額が20万円以上の場合は、耐用年数を4年として減価償却費を計算します。

 

減価償却費の計算方法として、定額法定率法があります。
所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出していないのならば、定額法で減価償却費を計算します。

 

以下に、定額法の計算方法と定率法の計算方法を紹介します。

パソコン修理代を定額法で計算

例えば、NVIDIAのハイエンドグラボを購入し、購入価格が24万円であった場合を考えます。
9月半ばに購入し、事業に使用する割合(事業割合)が80%であったとします。

 

減価償却費は、以下のように計算できます。

■減価償却費

NVIDIAのハイエンドグラボ
取得価額240,000円
9月半ばに取得
事業割合 80%
定額法

取得価額が20万円以上なので、耐用年数を4年として、4年償却。

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数(4年) × 事業割合 × 使用月数 ÷ 12

(1年目)
減価償却費 = 240,000円 ÷ 4年 × 80% × 4 ÷ 12 = 16,000円

(2年目)
減価償却費 = 240,000円 ÷ 4年 × 80% = 48,000円

(3年目)
減価償却費 = 240,000円 ÷ 4年 × 80% = 48,000円

(4年目)
減価償却費 = 240,000円 ÷ 4年 × 80% = 48,000円

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に習います。

パソコン修理代を定率法で計算

先ほどと同様に、NVIDIAのハイエンドグラボを購入し、購入価格が24万円であった場合を考えます。
9月半ばに購入し、事業に使用する割合(事業割合)が80%であったとします。

 

定率法で計算する場合、月数按分と事業割合で按分すると、計算が複雑になります。
ですので、分かりやすくするために、まずは月数按分と事業割合で按分しないで、減価償却費を計算してみましょう。

 

なお、定率法の計算で使用する償却率と改定償却率と保証率は、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』から探します。
償却率と改定償却率と保証率は、耐用年数が分かれば、探すことが出来ます。

■減価償却費

NVIDIAのハイエンドグラボ
取得価額240,000円
定率法
取得価額が20万円以上なので、耐用年数を4年として、4年償却。

改定償却率 = 1.000

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
保証率 = 0.05274
償却保証額 = 240,000円 × 0.05274 = 12,658円

減価償却費 = 未償却残高 × 償却率
未償却残高 = 240,000円
償却率 = 0.625

(1年目)
減価償却費 = 240,000円 × 0.625 = 15,0000円
償却累積額 = 15,0000円
未償却残高 = 90,000円

(2年目)
減価償却費 = 90,000円× 0.625 = 56,250円
償却累積額 = 206,250円
未償却残高 = 33,750円

(3年目)
減価償却費 = 33,750円× 0.625 = 21,094円(少数以下切り上げ)
償却累積額 = 227,344円
未償却残高 = 12,656円

(4年目)
減価償却費 = 12,656円 × 0.625 = 7,910円
償却保証額12,658円より小さいので、改定償却率を使用して、定額法で減価償却費を計算する

(4年目 ※改定償却率を使用して計算)
減価償却費 = 12,656円 × 1.000 = 12,656円 → 12,655円(期末簿価が1円になるよう調整)
償却累積額 = 239,999円
未償却残高 = 1円

定率法の計算方法のやり方は、分かりましたでしょうか?
分かりましたら、次に、月数按分と事業割合で按分して、減価償却費を計算してみましょう。

■減価償却費
NVIDIAのハイエンドグラボ
取得価額240,000円
取得価額が20万円以上なので、耐用年数を4年として、4年償却
9月半ばに取得
事業割合 80%

定率法

減価償却費 = 期首簿価 × 償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

償却率 = 0.625
改定償却率 = 1.000
保証率 = 0.05274

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
償却保証額 = 240,000円 × 0.05274 = 12,658円

(1年目)
期首簿価 = 240,000円
減価償却費 = 240,000円 × 0.625 × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 50,000円

事業専用分 = 50,000円 × 80% = 40,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 50,000円 × 20% = 10,000円
償却累積額 = 50,000円
期末簿価 = 240,000円 – 50,000円 = 190,000円

(2年目)
期首簿価 = 190,000円
減価償却費 = 190,000円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 118,750円

事業専用分 = 118,750円 × 80% = 95,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 118,750円 × 20% = 23,750円
償却累積額 = 50,000円 + 118,750円 = 168,750円
期末簿価 = 190,000円 – 118,750円 = 71,250円

(3年目)
期首簿価 = 71,250円
減価償却費 = 71,250円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 44,531円

事業専用分 = 44,531円 × 80% = 35,625円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 44,531円 × 20% = 8,906円
償却累積額 = 168,750円 + 44,531円 = 213,281円
期末簿価 = 71,250円 – 44,531円 = 26,719円

(4年目)
期首簿価 = 26,719円
減価償却費 = 26,719円 × 0.625 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 16,699円

事業専用分 = 16,699円 × 80% = 13,359円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 16,699円 × 20% = 3,340円
償却累積額 = 213,281円 + 16,699円 = 229,980円
期末簿価 = 26,719円 – 16,699円 = 10,020円

※1年目に12ヶ月使用していないため、全額償却出来ない。

なお、定額法と定率法の計算例として、私はパソコン本体を取得した場合と、自動車を取得した場合の記事を書きました。
良ければそちらも参考にしてください。

 

以下、記事になります。
パソコン本体の購入費用を個人事業主の経費で計上する方法とは?
新車を購入したが節税対策にならなかった事実を公表します

取得価額が10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方は、パソコン周辺機器とパソコン部品の取得価額が10万円以上30万円未満の場合、少額減価償却資産制度が適用される可能性があります。
この少額減価償却資産制度が適用されると、パソコン周辺機器とパソコン部品の取得価額を、修繕費や消耗品費として一括で経費計上出来ます

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・パソコン周辺機器とパソコン部品の取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

以上、取得価額に応じた経理方法についてお話しました。

 

なお、上記の内容は、国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』に記載されている内容です。

 

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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以上です。