本記事で対象とする確定申告書は、「確定申告書B」です。
この確定申告書Bの「生命保険料控除」欄を埋めていきます。
確定申告書Bを使用する理由は、所得の種類如何によらず、どのような商売をやられている方でも、使用できるからです。
副業であろうと、専業であろうと、事業をやられている方は確定申告書Bを使用して確定申告を済ませます。
なお、税務署に開業届を提出して、個人事業主になった方は、強制的に確定申告書Bを使用することになります。
本記事では、この確定申告書Bの第一表の「生命保険料控除」欄と、第二表の「生命保険料控除」欄の二箇所を埋めていきます。
副業で商売をやられている方の場合、使用するのは、会社から1月の給料日に受け取る源泉徴収票です。
その源泉徴収票に印字されている「生命保険料等の金額」の金額を、確定申告書Bの「生命保険料控除」欄に書き写して終わりです。
目次
確定申告書Bの生命保険料控除欄の場所
確定申告書Bは、以下のとおりです。
確定申告書B第一表
確定申告書B第二表
この中で、確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄と、確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄の場所は、以下のとおりです。
確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄
確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄
なお、確定申告書Bは、国税庁HPの『確定申告書B』のページから、PDFファイルをダウンロード出来ます。
源泉徴収票の生命保険料の場所
源泉徴収票のフォーマットは、会社によって異なります。
ですが、項目の配置が異なるだけで、源泉徴収票の内容自体は、どの会社でも同じになるはずです。
みなさんが会社からもらった源泉徴収票の中に、「生命保険料等の金額」という欄がありませんか?
この「生命保険料等の金額」に印字されている金額を使用して、確定申告書Bの生命保険料控除欄を埋めていきます。
今回は、以下の源泉徴収票のフォーマットを使用していきます。
源泉徴収票から確定申告書Bの生命保険料控除欄を埋める
源泉徴収票の「生命保険料の金額」欄に印字されている金額を、確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄と確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄に書き写します。
確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄
源泉徴収票の「生命保険料の控除額」欄の金額を、確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄に書き写します。
確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄
やや見づらいですが、源泉徴収票の「生命保険料の控除額」欄の下側に、このような項目がありますね。
・新生命保険料の金額
・旧生命保険料の金額
・介護医療保険料の金額
・新個人年金保険料の金額
・旧個人年金保険料の金額
そして、確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄にも、上記の源泉徴収票の項目に対応する項目が存在するのが分かるかと思います。
これらは、今期支払った保険料の金額を意味します。
確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄には、源泉徴収票の源泉徴収票の項目に対応する項目をそのまま書き写せばOKです。
以上で、確定申告書Bの生命保険料控除欄への記入は終了です。
簡単ですね。
生命保険料控除額は計算可能
確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄に記入した各生命保険料から、確定申告書B第一表「生命保険料控除」欄に記入する生命保険料控除額は、会社の方で計算して、源泉徴収票の「生命保険料の金額」欄に表示してくれます。
この生命保険料控除額ですが、自分で計算することも出来ます。
先程の、確定申告書B第二表「生命保険料控除」欄に記入した金額、つまり源泉徴収票に印字されている金額を基に、生命保険料控除額を計算してみましょう。
今期支払った保険料は、以下のとおりだとします。
・新生命保険料の金額:25,000円
・旧生命保険料の金額:35,000円
・介護医療保険料の金額:90,000円
・新個人年金保険料の金額:0円
・旧個人年金保険料の金額:100,000円
これらの保険料の各控除額を合算した金額が、生命保険料控除額になります。
一般の生命保険料:生命保険料控除額
一般の生命保険料は、新生命保険料の金額と旧生命保険料の金額の2つが該当します。
上の例ですと、新生命保険料の金額が25,000円、旧生命保険料の金額が35,000円になります。
新生命保険料とは、平成24年1月1日以後に締結した保険契約によって発生した生命保険料のことです。
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく保険料の控除額は、以下のように計算します。
★新契約の生命保険料控除額計算方法
年間の支払保険料等 控除額
・20,000円以下 全額を控除額とする
・20,001円~40,000円 支払保険料等×1/2+10,000円
・40,001円~80,000円 支払保険料等×1/4+20,000円
・80,001円 一律40,000円国税庁HP『No.1140 生命保険料控除』より
旧生命保険料とは、平成23年12月31日以前に締結した保険契約によって発生した生命保険料のことです。
平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく保険料の控除額は、以下のように計算します。
★旧契約の生命保険料控除額計算方法
年間の支払保険料等 控除額
・25,000円以下 全額を控除額とする
・25,001円~50,000円 支払保険料等×1/2+12,500円
・50,001円~100,000円 支払保険料等×1/4+25,000円
・100,001円 一律50,000円国税庁HP『No.1140 生命保険料控除』より
この計算式にならい、一般の生命保険料の生命保険料控除額を計算してみましょう。
■新生命保険料の生命保険料控除額
新生命保険料の金額:25,000円
年間の支払保険料等が20,001円~40,000円の範疇にあるので、以下のように計算。
新生命保険料の生命保険料控除額=支払保険料等×1/2+10,000円=25,000円×1/2+10,000円=22,500円
■旧生命保険料の生命保険料控除額
旧生命保険料の金額:35,000円
年間の支払保険料等が25,001円~50,000円の範疇にあるので、以下のように計算。
旧生命保険料の生命保険料控除額=支払保険料等×1/2+12,500円=35,000円×1/2+12,500円=30,000円
■新生命保険料と旧生命保険料の生命保険料控除額を合算した金額を適用する場合
新生命保険料の生命保険料控除額+旧生命保険料の生命保険料控除額=22,500円+30,000円=52,500円
新契約の控除額と旧契約の控除額の合計額が40,000円を超えているので、控除額は40,000円となる
以上の3つの計算方法にて、控除額の最大額が40,000円なので、この金額を採用する。
個人年金保険料:生命保険料控除額
個人年金保険料には、新個人年金保険料の金額と旧個人年金保険料の金額の2つが該当します。
上の例ですと、新個人年金保険料の金額が0円、旧個人年金保険料の金額が100,000円になります。
これら保険料の控除額の計算方法は、一般の生命保険料の計算方法と同じです。
早速計算してみましょう。
■新個人年金保険料の生命保険料控除額
新個人年金保険料の金額:0円
年間の支払保険料等が20,000円以下なので、以下のように計算。
新個人年金保険料の生命保険料控除額=支払保険料等=0円
■旧個人年金保険料の生命保険料控除額
旧個人年金保険料の金額:100,000円
年間の支払保険料等が50,001円~100,000円の範疇にあるので、以下のように計算。
旧個人年金保険料の生命保険料控除額=支払保険料等×1/4+25,000円=100,000円×1/4+25,000円=50,000円
■新個人年金保険料と旧個人年金保険料の生命保険料控除額を合算した金額を適用する場合
新個人年金保険料の生命保険料控除額+旧個人年金保険料の生命保険料控除額=0円+50,000円=50,000円
新契約の控除額と旧契約の控除額の合計額が40,000円を超えているので、控除額は40,000円となる
以上の3つの計算方法にて、控除額の最大額が50,000円なので、この金額を採用する。
介護医療保険料:生命保険料控除額
上の例ですと、介護医療保険料の金額が90,000円になります。
これら保険料の控除額の計算方法は、一般の生命保険料の新生命保険料の計算方法と同じです。
早速計算してみましょう。
■介護医療保険料の生命保険料控除額
新個人年金保険料の金額:90,000円
年間の支払保険料等が80,001円以上なので、以下のように計算。
新個人年金保険料の生命保険料控除額=一律40,000円=40,000円
今期の生命保険料控除額を算出
まず、先程計算しました、一般の生命保険料の控除額と個人年金保険料の控除額と介護医療保険料の控除額を合算します。
そして、合算した金額が12万円を超えていないなら、その合算した金額が、今期の生命保険料控除額となります。
合算した金額が12万円を超えていたら、今期の生命保険料控除額は12万円となります。
■生命保険料控除額
生命保険料控除額=一般の生命保険料の控除額+個人年金保険料の控除額+介護医療保険料の控除額=40,000+40,000+50,000=130,000円生命保険料控除額が120,000円を超えているので、今期の生命保険料控除額は120,000円となる。
以上で、生命保険料控除額の計算は終了です。
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そして、来るべき税務調査に備えてください。
以上です。