物販業を営んでおり、可燃性の商品をオフィスに保管するので、安全のためにスプリンクラーを設置したとしましょう。

スプリンクラーは、「建物付属設備」という扱いになり、減価償却費として会計処理します。

耐用年数は8年です。

建物付属設備ですので、減価償却費の計算で使用できるのは、定額法のみです。

 

以下、順を追って説明していきます。

 

以下、自転車の減価償却費の計算方法を詳しくお伝えします。

 

課税対象となる「建物附属設備」とは?

建物付属設備とは、建物に付随していて建物と一体となっているものを言います。

 

スプリンクラーは、家の中にあり、建物と一体となっていますよね。
だからスプリンクラーは、建物付属設備という扱いになります。

 

建物付属設備は、減価償却費として経費計上します。
計算方法ですが、平成28年4月1日より前に取得した建物付属設備は、定額法または定率法のいずれかで計算します。
平成28年4月1日以降に取得した建物付属設備は、定額法しか認められていません。

スプリンクラーの法定耐用年数は8年

スプリンクラーの法定耐用年数は8年です。

 

法定耐用年数を調べる時は、国税庁が公表している『耐用年数表』を調べるのが一般的です。
しかし、この耐用年数表を見ても、どこにもスプリンクラーとは書かれていませんし、スプリンクラーに該当するような項目も見当たりません。

 

ですので、日立市が公表している『耐用年数表』を根拠にします。
この耐用年数表を見ますと、スプリンクラーは「建物付属設備」で、構造用途が「消化又は災害報知設備」で、細目が「火災報知設備 」に該当します。

 

よって、この耐用年数表に書かれている通り、スプリンクラーの耐用年数は8年です。

スプリンクラーの取得価額とは

スプリンクラーの設置に要した費用全てを合わせた金額が、スプリンクラーの取得価額となります。
施工業者に支払った金額が、スプリンクラーの取得価額となると考えて良いでしょう。

スプリンクラーの取得価額を税込みで見るか税抜きで見るか

スプリンクラーの購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます。

 

例えば、業者に委託して、スプリンクラーを取り付けして、10万円支払ったとしましょう(実際はこんなに安くありません)。

 

この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。
税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度にスプリンクラーの取得価額を一括経費計上出来ません。

 

ですが税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度にスプリンクラーの取得価額を一括経費計上出来ます。
今年度に、スプリンクラーの取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。

 

2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。
原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、スプリンクラーの取得価額を強制的に税込みで見ることになります。
どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

スプリンクラーの減価償却費を計算

スプリンクラーは「建物附属設備」であり、減価償却費として経費計上します。
「建物附属設備」ですので、定額法で減価償却費を計算します。
耐用年数は8年です。

スプリンクラーの取得価額が10万円未満⇒一括経費計上出来る!

スプリンクラーの取得価額が10万円未満の場合、消耗品費または雑費として一括経費計上することが出来ます。
国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』が根拠です。

 

このページには、以下のような文言が記載されています。

使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

経費の勘定科目が何かについて、上記の文言からは読み取れません。
しかし、消耗品費として一括経費計上して問題ないでしょう。
勘定科目を消耗品費ではなく、雑費として計上しても良いかと思います。

 

そして、スプリンクラーの設置に要する費用が、10万円未満になることは、一般的にありえません。

スプリンクラーの取得価額が10万円以上20万円未満⇒一括償却資産になる!

スプリンクラーの取得価額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産という扱いにして、3年間で均等償却することが出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』のページには、以下の文言が記載されています。

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

ですが、スプリンクラーの設置に要する費用が、20万円に収まることは一般的にありえません。

・スプリンクラーの取得価額が20万円以上⇒耐用年数に応じて定額法で計算

スプリンクラーの取得価額が20万円以上の場合、定額法で減価償却費を計算します。

 

定額法とは、取得価額を耐用年数で均等に分割して減価償却費を計算する計算方法です。
ですので、単純に「取得価額÷耐用年数」と考えれば良いのですが、正式には、「償却率」というものを使用して減価償却費を計算します。
「償却率」は、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』に掲載されています。

 

スプリンクラーの耐用年数8年という情報を基に、償却率を調べましょう。

 

この表を見ますと、「定額法償却率」が0.125と分かります。
以上の情報を基に、スプリンクラーの減価償却費を定額法で計算してみましょう。

 

以下、計算例をお見せします。

 

設置に要する費用、すなわち取得価額が1,570,000円であったとします。
6月19日にスプリンクラーの工事が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は7ヶ月です。
自宅謙オフィスであると仮定して、事業割合を80%とします。

 

定額法でスプリンクラーの減価償却費を計算する場合、以下のように計算します。

※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

※私の顧問税理士が使用している固定資産台帳をベースにした計算方法をお見せします。

■減価償却費

スプリンクラー
取得価額 1,570,000円
6月19日に取得
事業割合 80%
耐用年数 8年

定額法

減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

定額法の償却率 = 0.125

(1年目)
期首簿価 = 1,570,000円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 7ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 114,479円

事業専用分 = 114,479円 × 80% = 91,583円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 114,479円 × 20% = 22,896円
償却累積額 = 114,479円
期末簿価 = 1,570,000円 – 114,479円 = 1,455,521円

(2年目)
期首簿価 = 1,455,521円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 114,479円 + 196,250円 = 310,729円
期末簿価 = 1,455,521円 – 196,250円 = 1,259,271円

(3年目)
期首簿価 = 1,259,271円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 310,729円 + 196,250円 = 506,979円
期末簿価 = 1,259,271円 – 196,250円 = 1,063,021円

(4年目)
期首簿価 = 1,063,021円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 506,979円 + 196,250円 = 703,229円
期末簿価 = 1,063,021円 – 196,250円 = 866,771円

(5年目)
期首簿価 = 866,771円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 703,229円 + 196,250円 = 899,479円
期末簿価 = 866,771円 – 196,250円 = 670,521円

(6年目)
期首簿価 = 670,521円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 899,479円 + 196,250円 = 1,095,729円
期末簿価 = 670,521円 – 196,250円 = 474,271円

(7年目)
期首簿価 = 474,271円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 1,095,729円 + 196,250円 = 1,291,979円
期末簿価 = 474,271円 – 196,250円 = 278,021円

(8年目)
期首簿価 = 278,021円
減価償却費 = 1,570,000円 × 0.125 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 196,250円

事業専用分 = 196,250円 × 80% = 157,000円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 196,250円 × 20% = 39,250円
償却累積額 = 1,291,979円 + 196,250円 = 1,488,229円
期末簿価 = 278,021円 – 196,250円 = 81,771円

スプリンクラーの取得価額が10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。

 

スプリンクラーの取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。
この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、スプリンクラーの取得価額を、消耗品費として一括経費計上出来ます。

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準
・スプリンクラーの取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

スプリンクラーの設置費用を30万円未満に抑えられるのなら、中小企業者の少額資産の特例を利用しましょう。

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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以上です。