自動車の購入費用で発生した消費税は、仮払消費税に全額含めることが出来ます。

 

もちろん、事業割合を加味する必要はありますが、これにより、消費税の還付金を狙うことが出来ます。
ただし、今年度の確定申告で、課税事業者かつ原則課税方式で消費税を納税される方に限定されます。

 

以下、順を追って説明していきます。

 

消費税の課税対象者とは

今年度の年間総売上高が1,000万円を超えた方は、2年後の確定申告で消費税の課税事業者になります。
今年度の年間総売上高が1,000万円を超えなかった場合は、消費税の課税事業者にならず、免税事業者となります。

 

消費税の課税事業者になる場合と、免税事業者になる場合について、図解すると以下のようになります。

原則課税方式と簡易課税方式の違い

消費税の課税事業者となった場合、原則課税方式で消費税を納税するのか、簡易課税方式で消費税を納税するのかを選択できます。

 

以下に、原則課税方式と簡易課税方式について、簡単に説明していきます。

原則課税方式

今年度の年間総売上高が1,000万円を超えた方は、何もしなければ、2年後の確定申告で消費税の課税事業者に自動的になります。

簡易課税方式

今年度の年間総売上高が1,000万円を超えた方は、消費税簡易課税制度選択届出書を提出すると、簡易課税方式で消費税を計算して納税することが出来ます。
消費税簡易課税制度選択届出書の提出期限は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで、です。
例えば、平成30年1月1日から始まる課税期間で簡易課税制度を選択する場合は、平成29年12月31日までに届出を提出する必要があります。

 

詳しくは、『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

原則課税方式で消費税を計算

原則課税方式の計算方法は、ざっくり言うと以下のように計算できます。

■原則課税方式

消費税=年間総売上×8% – 商品仕入れなどの必要経費×8%

一般的に考えると、以下のような計算式になります。

■消費税の一般式

消費税 = 仮受消費税 – 仮払消費税

詳しくは、『免税事業者になると期末商品棚卸高が減額され消費税の還付金が減る』を御覧ください。

簡易課税方式で消費税を計算

簡易課税方式の計算方法は、ざっくり言うと以下のように計算できます。

■簡易課税方式

粗利 = 年間総売上 – 年間総売上×80%(物販業の場合はみなし仕入れ率を80%で設定)
消費税 = 粗利×8%

利益率が高い商売をされている方は、簡易課税方式で計算したほうが、消費税を安く抑えられます。
簡易課税方式ですと、粗利が20%とみなして、消費税を計算するからです。
利益率が20%を超える商売をされているなら、簡易課税制度で消費税を納税したほうが、お得であると言えます。

消費税の還付を狙えるのは原則課税の課税事業者のみ

消費税を計算して、今年度の消費税の納税額がマイナスになった場合、マイナス分が我々に還付されます。
ということは、消費税の還付金が狙えるのは、原則課税方式で計算した場合のみになります。

 

もう一度、原則課税方式のざっくりとした計算式をお見せします。

■原則課税方式

消費税 = 年間総売上×8%  –  商品仕入れなどの必要経費×8%

「商品仕入れなどの必要経費」が「年間総売上」より大きい場合、消費税の金額がマイナスになりますね。
マイナスになったら、消費税の還付金を受けることが出来ます。

 

次に、もう一つの消費税の計算方法である、簡易課税方式のざっくりとした計算式をお見せします。

■簡易課税方式

粗利  =  年間総売上  –  年間総売上×80%(物販業の場合はみなし仕入れ率を80%で設定)
消費税 = 粗利×8%

こちらは、年間総売上だけを見て、消費税を決めています。
年間総売上がマイナスになることは、絶対にありえません。
ゆえに、簡易課税方式では、消費税の金額がマイナスになりえません。
よって、簡易課税方式では、消費税の還付金を受けることが出来ません。

 

詳しくは、『免税事業者になると期末商品棚卸高が減額され消費税の還付金が減る』を御覧ください。

自動車の購入費用は仮払消費税に一度に全額計上できる。ゆえに消費税の還付を狙える

消費税の還付を狙えるのは、原則課税方式で消費税を計算した場合のみであることは、分かりましたでしょうか?
それでは、次に、本記事の議題である、自動車を購入して、消費税の還付を狙うことについて、お話します。

車両運搬具の購入費用で消費税の還付金を狙える仕組み

まず、原則課税方式で消費税を計算する場合の、ざっくりとした計算式を、もう一度お見せします。

■原則課税方式

消費税=年間総売上×8% – 商品仕入れなどの必要経費×8%

この原則課税方式の消費税の計算式の中で、自動車の購入費用は、「商品仕入れなどの必要経費」に含めることが出来ます。
ただし、事業割合で按分する必要があります。

 

例えば、自動車の購入費用が300万円、事業として使用している割合が80%、年間総売上が140万円であった場合で、消費税を計算してみましょう。

■原則課税方式

消費税=年間総売上×8% – 商品仕入れなどの必要経費×8%

消費税=140万円×8% – 300万円×80%×8% = -8万円
⇒8万円の還付金を受けることが出来る

このように、自動車の購入費用などの必要経費が、年間総売上を上回った場合は、原則課税方式で計算した場合、消費税の還付金を受けることが出来ます。

 

今年度の年間総売上が1,000万円を超えた方で、将来、車両運搬具の購入などの設備投資をお考えの方は、原則課税でやったほうが良いでしょう。
消費税の還付金を受けられる可能性があるからです。

車両運搬具の購入費用は仮払消費税として控除出来る

上記の考え方を厳密に表現しますと、「車両運搬具の購入費用は仮払消費税として控除出来る」と言います。

 

原則課税方式で消費税を計算する場合の、ざっくりとした計算式ではなく、一般式をもう一度お見せします。

■消費税の一般式

消費税 = 仮受消費税 – 仮払消費税

仮受消費税と仮払消費税について、簡単に説明します。

仮受消費税とは

仮受消費税とは、お客様から一時的に預かった消費税のことです。

 

物販業で商品が売れた場合、購入者は、消費税を含めた金額を我々に支払います。
1,000円のCDが売れたなら、購入者は8%の消費税分の80円を我々に支払います。
そして、我々は、課税事業者であった場合、この購入者から一時的に預かった消費税80円を国に返します。

 

「一時的に預かった」という意味で、「仮受」消費税と呼びます。

仮払消費税とは

仮払消費税とは、我々が国に既に納税した消費税のことです。

 

店頭価格1,000円のDVDを仕入れしたとしましょう。
この場合、レジにて支払う額は、8%の消費税を含めた1,080円になります。
つまり、我々は、80円を先に納税したことになります。

 

「先に納税したことになる」という意味で、「仮払」消費税と呼びます。

仮受消費税と仮払消費税を使って車両運搬具を購入した場合で消費税を計算

消費税の一般式を使って、消費税を計算してみましょう。

 

自動車の購入費用が300万円、事業として使用している割合が80%、年間総売上が140万円であったとします。

■消費税の一般式

消費税 = 仮受消費税 – 仮払消費税

仮受消費税 = 140万円×8% = 112,000円
仮払消費税 = 300万円×80%×8% = 192,000円

消費税 = 仮受消費税 – 仮払消費税 = 112,000円 – 192,000円 = -8万円
⇒8万円の還付金を受けることが出来る

ちなみに、原則課税方式のざっくりとした計算式で計算しても、当然ながら計算結果は変わりません。
やってみましょう。

■原則課税方式

消費税=年間総売上×8% – 商品仕入れなどの必要経費×8%

消費税=140万円×8% – 300万円×80%×8% = -8万円
⇒8万円の還付金を受けることが出来る

計算結果は変わりませんね。
どちらの計算式で考えても問題ないのですが、消費税を計算する際には、自動車の購入費用につきましては、「車両運搬具の購入費用は仮払消費税として控除出来る」と言うことは覚えておいてください。

車両運搬具の消費税の計算と減価償却費の計算の違い

自動車の購入費用は、消費税の計算の際に仮払消費税として控除出来る他に、減価償却費として経費計上出来ます。

 

減価償却費を計算する時は、自動車の購入費用を何年間かに渡って、分割して経費計上します。
これに対して、消費税の計算の場合は、仮払消費税として一度に全額経費計上出来ます。

 

また、例えば、車両運搬具を8月の半ばに購入した場合、12月末までに5ヶ月間使用したことになりますが、消費税の計算の場合は、仮払消費税として一度に全額経費計上出来ます。
これに対して、減価償却費として経費計上する場合は、5/12を掛け算して月数按分する必要があります。

 

詳しくは、『新車を購入したが節税対策にならなかった事実を公表します』を御覧ください。

 

このように、消費税を計算する場合は、購入費用を一度に全額経費計上しますが、減価償却費を計算する場合は、分割して経費計上するという違いがあります。
しかし、自動車の購入費用は、減価償却費と消費税のダブルで経費計上出来るということになります。

 

自動車の購入費用は、節税効果が高い経費であると言えるでしょう。

簡易課税方式では車両運搬具の購入費用を消費税の計算に入れられない

なお、消費税簡易課税制度選択届出書を提出して、簡易課税方式で消費税を納税される方は、残念ながら自動車の購入費用は消費税の計算に1円も入れられませんので、ご注意を。

 

もう一度、簡易課税方式のざっくりとした計算式をお見せします。

■簡易課税方式

粗利 = 年間総売上 – 年間総売上×80%(物販業の場合はみなし仕入れ率を80%で設定)
消費税 = 粗利×8%

例えば、自動車の購入費用が300万円、事業として使用している割合が80%、年間総売上が140万円であった場合で、消費税を計算してみましょう。

■簡易課税方式

粗利 = 年間総売上 – 年間総売上×80%(物販業の場合はみなし仕入れ率を80%で設定)
消費税 = 粗利×8%

粗利 = 140万円 – 140万円×80% = 28,000円
消費税 = 28,000円×8% = 2,240円

上記の計算例を見れば明らかな通り、簡易課税方式では、自動車の購入費用を消費税の計算に1円も含めることが出来ません。
設備投資をされる方は、簡易課税でやるのは止めたほうが、お得かもしれません。

 

詳しくは、『免税事業者になると期末商品棚卸高が減額され消費税の還付金が減る』を御覧ください。

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