オフィスにあるトイレを修理した場合を想定して、経費計上のやり方を紹介します。

 

例えば、壁タイルが複数枚割れ、壁紙が剥がれた古いトイレ部屋を考えましょう。

 

このトイレ部屋には和式便器が設置されているとします。
このトイレ部屋の壁タイルと壁紙の貼り直しをして補修して、和式便器を外して新たに洋式便器を取り付けたとします。

 

この場合、トイレ部屋の補修にかかった金額は「修繕費」として、その年度に一括経費計上します。

 

そして、洋式便器の取り付けにかかった費用を、「減価償却費」として経費計上します。
洋式便器の取り付けにかかった部分は、衛生設備の設置と考えられるので、「建物付属設備」として処理します。
耐用年数は15年です。

 

建物付属設備ですので、これからトイレのリフォームをする場合は、減価償却費の計算で使用できるのは、定額法のみです。

 

ただ、取得価額によっては、消耗品費として一括経費計上出来るなどの特例が用意されています。
以下、順を追って説明していきます。

トイレの修理はどこまでが修繕費?どこまでが減価償却費?

例えば、壁タイルが複数枚割れ、壁紙が剥がれた古いトイレ部屋を考えましょう。
このトイレ部屋には和式便器が設置されているとします。

 

このトイレ部屋の壁タイルと壁紙の貼り直しをして補修して、和式便器を外して新たに洋式便器を取り付けたとします。

 

以下の費用が発生したとしましょう。

①トイレ壁紙貼り直し代、天井塗装代(原状回復)
②壁タイル部分張替代(原状回復)
③既存便器撤去跡下地補修代
④床長尺シート貼り付け代(木→長尺シート)
⑤床下地補修代
⑥扉取替費用(開き戸⇒引戸)
⑦天井照明取替代
⑧コンセント他電源工事代
⑨トイレ用壁換気扇取替代
⑩換気扇用コンセント他電源工事代
⑪既存衛生器具撤去処分費用
⑫給水、汚水配管工事費用
⑬洋風便器費用
⑭器具設置費用

これら14項目の費用のうち、どこまでが修繕費で、どこまでが減価償却費として経費計上するのでしょうか?
答えは、トイレ部屋の補修にかかった金額は「修繕費」、洋式便器の取り付けにかかった金額は「減価償却費」として経費計上する、です。

 

上記の費用を分類すると、以下のようになります。

 

<トイレ部屋の補修にかかった金額⇒修繕費として一括経費計上>
①トイレ壁紙貼り直し代、天井塗装代(原状回復)
②壁タイル部分張替代(原状回復)

<洋式便器の取り付けにかかった金額⇒減価償却費として経費計上>
③既存便器撤去跡下地補修代
④床長尺シート貼り付け代(木→長尺シート)
⑤床下地補修代
⑥扉取替費用(開き戸⇒引戸)
⑦天井照明取替代
⑧コンセント他電源工事代
⑨トイレ用壁換気扇取替代
⑩換気扇用コンセント他電源工事代
⑪既存衛生器具撤去処分費用
⑫給水、汚水配管工事費用
⑬洋風便器費用
⑭器具設置費用

修繕費として経費計上する部分は、トイレを修理した年度にその費用を一括経費計上します。

減価償却費として経費計上する部分は、その費用を耐用年数15年で分割して、減価償却費として経費計上します。
減価償却費として経費計上する部分の扱いは、「建物附属設備」です。

課税対象となる「建物附属設備」とは?

建物付属設備とは、建物に付随していて建物と一体となっているものを言います。
トイレ便器は、家の中にあり、建物と一体となっていますよね。
だから便器は、建物付属設備という扱いになります。
建物付属設備は、減価償却費として経費計上します。

 

計算方法ですが、平成28年4月1日より前に取得した建物付属設備は、定額法または定率法のいずれかで計算します。
平成28年4月1日以降に取得した建物付属設備は、定額法しか認められていません。
詳しくは、日野上総合事務所さまの記事『建物付属設備・構築物の「定額法」一本化(平成28年度税制改正大綱)』を御覧ください。

 

以下、トイレのリフォームで、「建物附属設備」に該当する以下の部分に焦点を当てて、減価償却費の計算方法を紹介していきます。

<トイレ部屋の補修にかかった金額⇒修繕費として一括経費計上>
①トイレ壁紙貼り直し代、天井塗装代(原状回復)
②壁タイル部分張替代(原状回復)

★★★<洋式便器の取り付けにかかった金額⇒減価償却費として経費計上>★★★
③既存便器撤去跡下地補修代
④床長尺シート貼り付け代(木→長尺シート)
⑤床下地補修代
⑥扉取替費用(開き戸⇒引戸)
⑦天井照明取替代
⑧コンセント他電源工事代
⑨トイレ用壁換気扇取替代
⑩換気扇用コンセント他電源工事代
⑪既存衛生器具撤去処分費用
⑫給水、汚水配管工事費用
⑬洋風便器費用
⑭器具設置費用

トイレの法定耐用年数は15年

ここで言うトイレとは、トイレ便器の交換にかかる部分のことを言います。
トイレの法定耐用年数は15年です。

 

国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(建物・建物附属設備)』を見てみましょう。

 

トイレは、「<建物附属設備>」の「構造・用途」が「給排水・衛生設備、ガス設備」に該当します。
この表を見ますと、耐用年数は15年ですね。

トイレの取得価額とは

減価償却費を計算する時、取得価額という費用を使います。
イレの取得価額は、便器本体の費用だけでなく、便器の取り付けにかかった金額全てを合わせた金額です。

 

例えば、こちらの部分の費用が、トイレの取得価額の計算に用いられます。

<洋式便器の取り付けにかかった金額⇒減価償却費として経費計上>
③既存便器撤去跡下地補修代
④床長尺シート貼り付け代(木→長尺シート)
⑤床下地補修代
⑥扉取替費用(開き戸⇒引戸)
⑦天井照明取替代
⑧コンセント他電源工事代
⑨トイレ用壁換気扇取替代
⑩換気扇用コンセント他電源工事代
⑪既存衛生器具撤去処分費用
⑫給水、汚水配管工事費用
⑬洋風便器費用
⑭器具設置費用

トイレの取得価額を税込みで見るか税抜きで見るか

トイレの購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます。

 

例えば、TOTOに委託して、洋式便器を新規取り付けして、10万円支払ったとしましょう。
この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。

 

税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度にトイレの取得価額を一括経費計上出来ません。
ですが税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度にトイレの取得価額を一括経費計上出来ます。

 

今年度に、トイレの取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。

 

2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。
原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、トイレの取得価額を強制的に税込みで見ることになります。
どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

トイレの減価償却費を計算

トイレの修理・便器交換作業で、「建物附属設備」に該当する部分は、減価償却費として経費計上します。
耐用年数は15年です。
「建物附属設備」ですので、これからトイレの修理・便器交換作業を行う場合、定額法で減価償却費を計算します。

 

ただ、トイレの取得価額によっては、消耗品費として一括経費計上出来るなど、特例が用意されています。

トイレの取得価額が10万円未満⇒一括経費計上出来る!

トイレの取得価額が10万円未満の場合、消耗品費または雑費として一括経費計上することが出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』が根拠です。
このページには、以下のような文言が記載されています。

使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

 

経費の勘定科目が何かについて、上記の文言からは読み取れません。
しかし、消耗品費として一括経費計上して問題ないでしょう。
勘定科目を消耗品費ではなく、雑費として計上しても良いかと思います。

トイレの取得価額が10万円以上20万円未満⇒一括償却資産になる!

トイレの取得価額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産という扱いにして、3年間で均等償却することが出来ます。
国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』のページには、以下の文言が記載されています。

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

一括償却資産と扱って、3年間で均等償却する場合で、減価償却費を計算してみましょう。

 

ケーズデンキで、「パナソニック 温水洗浄便座 ビューティ・トワレ ホワイト DL-AWK600-WS」を116,079円で購入したとします。

 

取付費用が7,800円であったとします。
取得価額は、123,879円ですね。
9月17日にトイレ便座の設置が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は4ヶ月です。
家族もそのトイレ便座を使用するので、事業割合を80%とします。

 

一括償却資産としてトイレの減価償却費を計算する場合、以下のように計算できます。

■減価償却費

トイレ
取得価額 123,879円
9月17日に取得
事業割合 80%

取得価額10万円以上20万円未満なので、一括償却資産として、定額法で3年償却する方法を選択

減価償却費 = 取得価額 ÷ 3年 × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 123,879円 ÷ 3年 × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 11,012円(少数以下四捨五入)

(2年目)
減価償却費 = 123,879円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 33,034円(少数以下四捨五入)

(3年目)
減価償却費 = 123,879円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 33,034円(少数以下四捨五入)

トイレの取得価額が20万円以上⇒耐用年数に応じて定額法で計算

トイレの取得価額が20万円以上の場合、定額法で減価償却費を計算します。

 

トイレは、もっと具体的に言えばトイレの修理・便器交換作業に要した費用は、「建物附属設備」に該当します。
「建物附属設備」に該当する費用は、定額法のみ認められています。
上述しましたとおり、トイレの耐用年数は15年です。

 

以下、計算例をお見せします。

 

和式便器があるトイレ部屋の便器を洋式便器に取り替えて、以下の費用が発生したとします。

<洋式便器の取り付けにかかった金額⇒減価償却費として経費計上>
③既存便器撤去跡下地補修代
④床長尺シート貼り付け代(木→長尺シート)
⑤床下地補修代
⑥扉取替費用(開き戸⇒引戸)
⑦天井照明取替代
⑧コンセント他電源工事代
⑨トイレ用壁換気扇取替代
⑩換気扇用コンセント他電源工事代
⑪既存衛生器具撤去処分費用
⑫給水、汚水配管工事費用
⑬洋風便器費用
⑭器具設置費用

これらの費用を合わせた金額、すなわち取得価額が670,000円であったとします。
9月17日にトイレの工事が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は4ヶ月です。
家族もそのトイレを使用するので、事業割合を80%とします。

 

定額法でトイレの減価償却費を計算する場合、以下のように計算します。
※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

■減価償却費

トイレ
取得価額 670,000円
9月17日に取得
事業割合 80%
耐用年数 15年

定額法

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数(15年) × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 670,000円 ÷ 15年 × 4ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 11,911円(少数以下四捨五入)

(2年目)
減価償却費 = 670,000円 ÷ 15年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 35,733円(少数以下四捨五入)

(3年目)
減価償却費 = 670,000円 ÷ 15年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 35,733円(少数以下四捨五入)

・・・

(14年目)
減価償却費 = 670,000円 ÷ 15年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 35,733円(少数以下四捨五入)

(15年目)
減価償却費 = 670,000円 ÷ 15年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 35,733円(少数以下四捨五入)

トイレの取得価額が10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。

 

トイレの取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。
この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、トイレの取得価額を、消耗品費として一括経費計上出来ます。

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・トイレの取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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