自宅にテレビを設置したとしましょう。

 

このテレビにSkypeを搭載して、ビジネスの打ち合わせで使用するということにして、消耗品費をして一括経費計上したいとします。

 

ですが、テレビは有形減価償却資産なので、減価償却費として分割して経費計上しなくてはなりません。

 

だから、テレビを経費計上したいのなら、輸送費を含めた取得価額を10万円以下に抑えるべきです。

 

テレビの耐用年数は5年ですので、5年間に分割して減価償却費として経費計上します。
有形減価償却ですので、定額法または定率法で減価償却費を計算できます。

 

しかし、テレビの取得価額によっては、消耗品費として一括経費計上できたり、一括償却資産と扱って3年間で均等償却出来たりもします。

 

以下、順を追って説明していきます。

 

テレビは有形減価償却資産

テレビは減価償却資産です。

 

国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(器具・備品)(その1)』を見てみましょう。

 

この耐用年数表に、「ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器」と記されていますね。
ここに記されているということは、耐用年数に応じて減価償却費として経費計上しなくてはならないということになります。
よって、テレビは減価償却資産という扱いになるので、減価償却の対象となります。

 

減価償却資産は、有形減価償却資産と無形減価償却資産に分類されます。
有形減価償却資産とは、「形があるもの、かつ、複数年に渡って使用するもの」です。

 

テレビは、見ればテレビだと認識できますよね。
そして、購入したテレビは、普通は何年間も使用します。
よって、テレビは有形減価償却資産であると言えます。

 

有形減価償却資産の場合、定額法と定率法、どちらの計算方法でも計算することが出来ます。
それに対して、スマートフォンのような無形減価償却資産の場合、定額法のみ認められています。

 

スマートフォンの減価償却費の計算方法につきましては、『スマートフォンは減価償却する必要があるが抜け道もあります!』を御覧ください。

テレビの耐用年数は5年

テレビの耐用年数は5年と決められています。

 

国税庁が公表している耐用年数表『耐用年数(器具・備品)(その1)』を見てみましょう。

 

「ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器」の耐用年数が5年と記載されています。
よって、テレビの耐用年数は5年です。

 

この耐用年数を基にして、定額法または定率法で、テレビの減価償却費を計算していきます。

テレビの取得価額とは

テレビの本体価格と輸送費を含めた合計額が、テレビの取得価額になります。

 

テレビは重量物です。
なので、宅配業者が自宅まで輸送することになります。
この時に発生した輸送費は、テレビの取得価額に含めることが出来ます。

テレビの取得価額を税込みで見るか税抜きで見るか

テレビの購入価格に消費税を含めるかどうか、つまり、税込みとするのか、税抜きとするのかによって、取得価額が変わってきます

 

例えば、ケーズデンキでテレビを購入して、レジで10万円支払ったとしましょう。
この場合、税込みで考えたら取得価額は10万円、税抜きで考えたら取得価額は92,592円となります。
税込みで考えた場合は、取得価額が10万円以上になりますので、減価償却費として経費計上しなくてはならず、今年度にテレビの取得価額を一括経費計上出来ません。
ですが税抜きで考えた場合は、取得価額が10万円未満になりますので、今年度にテレビの取得価額を一括経費計上出来ます。

 

今年度に、テレビの取得価額を一括経費計上したい方は、税抜きでやったほうが良いでしょう。
2年前に売上が1,000万円あり、今年度は消費税の課税事業者である場合は、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

原則課税制度が適用されている方も、簡易課税制度が適用されている方も、取得価額を税込みで考えるのか、税抜きで考えるのかを選べます。

 

ただし、税込みとした場合、消費税の計算の際に、租税公課を経費として計上しないと損するので注意してください。
詳しくは、『消費税は税込方式で計算するとき租税公課を経費計上しないと損する!』を御覧ください。

 

これに対して、今年度免税事業者であった場合は、テレビの取得価額を強制的に税込みで見ることになります。
どんな方が消費税の課税事業者となるのか、免税事業者となるのかにつきましては『消費税の課税対象者となる人、原則課税と簡易課税のメリットを公開』を御覧ください。

テレビの減価償却費を計算

テレビの耐用年数は5年です。
この耐用年数を基に、定額法または定率法で減価償却費を計算するのが「原則」です。

 

しかし、テレビの取得価額によっては、消耗品費や雑費として一括経費計上できたり、一括償却資産として3年間で均等償却することも出来ます。

テレビの取得価額が10万円未満⇒一括経費計上出来る!

繰り返しますが、テレビは減価償却資産ですので、減価償却費として取得価額を分割して経費計上するのが原則です。

 

しかし、テレビの取得価額が10万円未満の場合、消耗品費または雑費として一括経費計上出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』が根拠です。
このページには、以下のような文言が記載されています。

使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

経費の勘定科目が何かについて、上記の文言からは読み取れません。
しかし、消耗品費として一括経費計上して問題ないでしょう。
勘定科目を消耗品費ではなく、雑費として計上しても良いかと思います。

テレビの取得価額が10万円以上20万円未満⇒一括償却資産になる!

テレビの取得価額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産と扱って3年間で均等償却することも出来ます。

 

国税庁HP『No.2100 減価償却のあらまし』のページには、以下の文言が記載されています。

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

一括償却資産と扱って、3年間で均等償却する場合で、減価償却費を計算してみましょう。
ビックカメラで、「SHARP AQUOS US US30 LC-60US30」を189,800円で購入したとします。

 

テレビの輸送費が、5,800円であったとします。
取得価額は、195,600円ですね。
3月21日にテレビの設置が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は10ヶ月です。
お笑い番組を見たりなど、事業以外でもテレビを使用することもあるので、事業割合を80%とします。

 

一括償却資産としてテレビの減価償却費を計算する場合、以下のように計算できます。

■減価償却費

テレビ
取得価額 195,600円(輸送費用含む)
3月21日に取得
事業割合 80%

取得価額10万円以上20万円未満なので、一括償却資産として、定額法で3年償却する方法を選択

減価償却費 = 取得価額 ÷ 3年 × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 195,600円 ÷ 3年 × 10ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 43,467円(少数以下四捨五入)

(2年目)
減価償却費 = 195,600円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 52,160円

(3年目)
減価償却費 = 195,600円 ÷ 3年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 52,160円

テレビの取得価額が20万円以上⇒耐用年数に応じて計算

テレビの取得価額が20万円以上の場合、特例は用意されていません。
テレビの耐用年数5年の情報を基に、定額法または定率法で減価償却費を計算します。

テレビの減価償却費を定額法で計算

定額法で計算する場合、テレビの耐用年数は5年ですので、取得価額を5年で割って、きれいに分割して減価償却費として経費計上します。

 

実際に計算してみましょう。

 

ビックカメラで、「SONY BRAVIA X8500D KJ-65X8500D」を288,000円で購入したとします。

 

テレビの輸送費が、5,800円であったとします。
取得価額は、293,800円ですね。
3月21日にテレビの設置が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は10ヶ月です。
お笑い番組を見たりなど、事業以外でもテレビを使用することもあるので、事業割合を80%とします。

 

定額法で減価償却費を計算する場合、以下のように計算します。
※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

■減価償却費

テレビ
取得価額 293,800円(輸送費用含む)
3月21日に取得
事業割合 80%
耐用年数 5年

定額法

減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数(5年) × 使用月数 ÷ 12ヶ月 × 事業割合

(1年目)
減価償却費 = 293,800円 ÷ 5年 × 10ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 39,173円(少数以下四捨五入)

(2年目)
減価償却費 = 293,800円 ÷ 5年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 47,008円

(3年目)
減価償却費 = 293,800円 ÷ 5年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 47,008円

・・・

(5年目)
減価償却費 = 293,800円 ÷ 5年 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 × 80% = 47,008円

テレビの減価償却費を定率法で計算

定率法で計算する場合、償却率と改定償却率と保証率を調べます。
調べる先は、国税庁が公表している減価償却率表『減価償却資産の償却率表』です。
テレビの耐用年数5年という情報を基に、償却率と改定償却率と保証率を調べます。

この表を見ますと、償却率が0.500、改定償却率が1.000、保証率が0.06249、と分かります。

 

以上の情報を基に、テレビの減価償却費を定率法で計算してみましょう。
ビックカメラで、「SONY BRAVIA X8500D KJ-65X8500D」を288,000円で購入したとします。

 

テレビの輸送費が、5,800円であったとします。
取得価額は、293,800円ですね。
3月21日にテレビの設置が完了したとします。
月の途中に取得したら、その月は1ヶ月使用したとみなされるので、今年度の使用月数は10ヶ月です。
お笑い番組を見たりなど、事業以外でもテレビを使用することもあるので、事業割合を80%とします。

 

定率法で減価償却費を計算する場合、以下のように計算します。
※計算方法は、国税庁HP『No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)』に掲載されている内容に習います。

■減価償却費
テレビ
取得価額 293,800円(輸送費用含む)
3月21日に取得
事業割合 80%
耐用年数 5年

定率法

減価償却費 = 期首簿価 × 償却率 × 使用月数 ÷ 12

事業専用分 = 減価償却費 × 事業割合
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 減価償却費 × (100% – 事業割合)

期末簿価 = 期首簿価 – 減価償却費
→期末簿価は、次期の期首簿価となる

償却率 = 0.500
改定償却率 = 1.000
保証率 = 0.06249

償却保証額 = 取得価額 × 保証率
償却保証額 = 293,800円 × 0.06249 = 18,360円

(1年目)
期首簿価 = 293,800円
減価償却費 = 293,800円 × 0.500 × 10ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 122,417円

事業専用分 = 122,417円 × 80% = 97,934円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 122,417円 × 20% = 24,483円
償却累積額 = 122,417円
期末簿価 = 293,800円 – 122,417円 = 171,383円

(2年目)
期首簿価 = 171,383円
減価償却費 = 171,383円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 85,692円

事業専用分 = 85,692円 × 80% = 68,554円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 85,692円 × 20% = 17,138円
償却累積額 = 122,417円 + 85,692円 = 208,109円
期末簿価 = 171,383円 – 85,692円 = 85,691円

(3年目)
期首簿価 = 85,691円
減価償却費 = 85,691円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 42,846円

事業専用分 = 42,846円 × 80% = 34,277円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 42,846円 × 20% = 8,569円
償却累積額 = 208,109円 + 42,846円 = 250,955円
期末簿価 = 85,691円 – 42,846円 = 42,845円

(4年目)
期首簿価 = 42,845円
減価償却費 = 42,845円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 21,423円

事業専用分 = 21,423円 × 80% = 17,138円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 21,423円 × 20% = 4,285円
償却累積額 = 250,955円 + 21,423円 = 272,378円
期末簿価 = 42,845円 – 21,423円 = 21,422円

(5年目)
期首簿価 = 21,422円
減価償却費 = 21,422円 × 0.500 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 10,711円
⇒償却保証額18,360円を下回っているので、改定償却率1.000を使用して、定額法で減価償却費を計算する

(5年目 ※改定償却率を使用)
期首簿価 = 21,422円
減価償却費 = 21,422円 × 1.000 × 12ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 21,422円 → 21,421円(期末簿価が1円になるよう調整)

事業専用分 = 21,421円 × 80% = 17,137円
→この金額を減価償却費として経費計上する

個人専用分 = 21,421円 × 20% = 4,284円
償却累積額 = 272,378円 + 21,421円 = 293,799円
期末簿価 = 21,422円 – 21,421円 = 1円

テレビの減価償却費は定額法で計算するのが原則

個人事業主の場合、特別な手続きをしない限り、定額法で減価償却費を計算します。

 

もし、定率法で減価償却費を経費計上したい場合、『所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出する必要があります。

 

ただし、この届出書は、事業を始めた年の確定申告で提出する書類になります。
提出期限は、今年度分の確定申告期限までです。
平成28年度の確定申告をするのでしたら、提出期限は平成29年3月15日までです。
詳しくは、国税庁HP『[手続名]所得税の棚卸資産の評価方法の届出手続』を御覧ください。

 

もし、既に確定申告を経験しており、その時にテレビを減価償却費として経費計上した、つまり一度でも定額法を採用していた場合に定率法を採用したい場合、『所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の変更承認申請書』を税務署に提出する必要があります。
提出期限は、変更しようとする年の3月15日までです。
平成28年度の確定申告をするのでしたら、提出期限は平成28年3月15日までです。

 

例えば、本日(平成29年1月11日)に提出した場合は、平成28年度分の確定申告は定額法で、平成29年度から定率法になります。
詳しくは、『[手続名]所得税の減価償却資産の償却方法の変更承認申請手続』を御覧ください。

 

ただし、事業を始めてから3年間、確定申告を続け、定額法で減価償却費をしている場合のみ、定率法に変更可能であるという点に注意して下さい。

テレビの取得価額10万円以上30万円未満

青色申告で確定申告をされている方に関係する話です。

 

テレビの取得価額が10万円以上30万円未満の場合、「中小企業者の少額資産の特例」が適用される可能性があります。
この「中小企業者の少額資産の特例」が適用されると、テレビの取得価額を、消耗品費として一括経費計上出来ます。

少額減価償却資産制度の適用対象者

以下の条件を満たす方に、少額減価償却資産制度が適用されます。

■少額減価償却資産制度の利用基準

・テレビの取得価額が10万円以上30万円未満
・開業届を出して青色申告で確定申告していること
・その年度に購入した自動車などの減価償却資産の合計金額が300万円以下であること

国税庁HP『No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』より

実際に減価償却費を記入する(青色申告・白色申告)

減価償却費の計算方法は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

計算が終わりましたら、実際に、確定申告書に記入していきましょう。

白色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
白色申告の減価償却の詳細なやり方を公開!これだけ読めば大丈夫!!

青色申告で減価償却費を記入

こちらの記事に、詳しい記入方法が書かれています。
青色申告で減価償却する時の書類の記入方法を全て詳しく公開!!

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